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黒崎一護の異世界物語
◇説明と現在と契約
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染みた声をあげるすずかとファリン。

ノエルも良く見なければ分からなかったが一瞬だけ動いた。

何に怖がっているのか理解出来ない一護。

「ふーん」

「ふーんって……他に何か言うことはないの?」

流石の忍も一護のこの態度は予測出来なかった。予想していたのは驚いた顔だったのだ。

「いや別に?んじゃあ忍やすずかも何かあんのか?」

「え………?」

一護のいきなりの言葉。すずかは何を言われたのか判らなかった。

忍やすずかにも何かある?

まさか自分達が人間じゃ無いことに気付いた?すずかが軽蔑される未来を思い浮かべて恐怖に呑まれる。

もし………もし拒絶されたら。化物って蔑まれたら。

考えただけで体が震える。

「どうしてそう思うの?」

忍は冷静に返す。

「いや、魂魄が普通の人間とは違うからな?パッと見は人間と同じなんだが、良く見たら少しだけ虚に近いからな」

「………一護君」

忍は秘密を話そうと背筋を伸ばす。一護も忍のそんな空気を感じて姿勢を正す………前にノエルが口を開く。

「その………一護様?忍お嬢様?」

言い難いのか、言葉を選びながら話をする。

「どうしたの?」

「その………誠に言いづらいのですが……●●県を調べました所、空座町という町は………存在しませんでした」

ノエルのその言葉に一護は思っていた事が真実だと気付いて頭を抱えた。

「やっぱり………か」

「へ?えと……いったいどういうこと?」

「この世界は俺がいた世界じゃないって意味だ」

一護の言葉に合点いったと頷く忍。そして驚きに目を見開く。

「つまり俺は並行世界から来たってことか」

帰られないという事実に頭を抱えた一護。

元居た場所に帰れない。そんな事実に言葉が出ない四人。

つまり誰も一護は頼れないということだ。補導されようものなら戸籍が存在しないのだ。どうなるか判ったものじゃない。

「はぁ〜〜まぁ終わっちまった事だ。今更グダグダ言っても始まんねぇか。で?忍が言おうとしてた事は何なんだ?」

ビクッとすずかが震える。ノエルは一護に一歩近付き、ファリンはそんなすずかの手を握る。

「そうね………隠さず言うわね?私とすずかは『夜の一族』と呼ばれる吸血鬼の人間なの」

言ってしまった。もう後戻り出来ない。でも、受け入れてくれる。忍は心のどこかでそう確信していた。

「吸血鬼?って事は……血を吸った相手を同族何かにも出来んのか?」

一護の疑問に首を振る忍。

一護はへぇと驚いた声を出した。

たったそれだけなのだ。拒絶するのでもなく、軽蔑するのでもなく、ただただ純粋に驚いた一護。

そんな一護に忍は息を吐いた。

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