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私の 辛かった気持ちもわかってよー
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 キラちゃんから、お母さんが皆さんを食事にご招待したらって、一度ご挨拶しておきたいんだって と、誘いがあって、皆で行くことになった。ご挨拶って言っているけど、キラちゃんが心配でどんな連中なのかを見ておきたいのだろうと、私達は、話し合っていた。

私は、午前中練習があるのでと、家に帰って、一応、変な恰好では行けないのでと、青系のチェックの半袖ワンピースでスカートもひざ丈のプリーツのもので出掛けた。少し遅れて2時頃、聞いていた場所を頼りに何とか探し当てていた。ここで良いんだろうかと・・・川の横の道路沿いに建つ3階建ての家、というよりビルみたいなところ。隣も同じようで、どこかの会社みたい、反対側の隣は木の塀が続いていて樹木の奥には、格式の高そうな瓦屋根の和風の家屋がそびえていた。

 ここで良いんだよねと、建物の前にはアルミ柵のゲートがあって、その奥は3台分ぐらいのスペースに白い軽自動車が停まっているだけだった。そのスペースの横が通用口になっているみたいで、 AMANOの表札が・・その下に [菅原スズヱ ピアノ教室] の少し古いような木の看板があった。と惑いながらもインターホンを押してみると、「はぁーい」と、キラちゃんの声だ。良かったと思っていると、直ぐに門が勝手に開いて、いいのかなーと、ゆっくりと中に進んで行くとキラちゃんが現れた。半袖の袖口がフリルで白い綿レースのワンピースに真っ赤なエプロンで、耳の前に1本の髪の毛を持ってきて小さな白いリボン。後ろにも大きなリボンを結んでいるみたいだった。

「キラちゃん これ フィナンシェ 手土産」

「そんなん 何にも 持ってこないでって言ってたのにー すみません 気使わせてしまってー」

 案内されて、広めの玄関を入ると、真直ぐ奥につづく廊下があって、上がって直ぐのところに、右手の大きな部屋のダイニング。その真ん中の10人ぐらいが座れるテーブルに他の4人が座っていた。もう、みんなはフルーツサラダみたいなものをつまみ出していた。

「山葵 お疲れ もう 予選始まるんだろう?」と、山水が気を使ってくれた。

「うん 明後日からね」

「じゃー 今日は 優勝の前祝いネ」と、キラちゃんがお皿に眼の前の木桶に入ったちらし寿司を盛り付け始めていた。

「そんなー 優勝なんて・・ キラちゃん お母さんは?」

「うん さっきも 言ったんだけど、生徒さんが来てるの ここの奥が教室なの 3時まで その後、ご挨拶に来るって言ってた」

「あぁー それで玄関に子供の靴が・・・ あのー 菅原スズヱって お母さん?」

「あぁ あの看板? そう 菅原は結婚前の名前 昔 使ってた看板らしいの 結婚前は岩倉で教室 やってて その時のものなのネ 結婚してからは、しばらく教室やめていたんだけど、私が小学校に
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