第4幕:喧嘩の男
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よ。だから、俺はお前らと喧嘩して、勝って中の物を根こそぎ頂こうって訳よ」
「じゃあ何故ツルギの事を『ツルギ・マインドル』ではなく、『赤い鷹匠の元愛機の現在の運転手』って呼ぶ?」
そんなライトの質問へのヘッドの答えは、カッオを失望させるのに十分な威力だった。
「今回の喧嘩の依頼主が認めてないからさ。そいつが『本物の赤い鷹匠』だとな。寧ろ、赤い鷹匠の輝かしい戦歴を汚す『紛い物』だとよ」
ソレを聞いたツルギは、再び大昔の名作の名言を引用する。
「官憲の力でねじ伏せる。そういった思い上がりが、ああいう奴をのさばらせてしまうんですよ。官憲の栄職や権力の為でなく人が幸せに暮らせる世を創り、そして守るため剣をとって戦った。それを忘れてしまったら……我々はただの成り上がり者ですよ」
「つまり、出世目的でモビルフォースを運転してる訳じゃないって言いたいのか……気に入った!俺は『ガラ・タンドリー』!そしてこいつは『クレイモーア』!さあ、おっぱじめようかぁー!?」
が、ツルギは首を横に振る。
「ここでは関係無い人達に迷惑が掛かります。だから、ムシのいい話なのは承知の上で、決闘の場と日時をこちらで指定させて頂きたいのですが?」
ヘッドは悪魔の様な笑みを浮かべながら言う。
「なら……連絡先を交換するか?」
「……受けて立ちます」
で、本当に連絡先を交換してそのまま去って行ったガラを見て、慌てて質問するカッオ。
「待ってくれ!……マモは……私の息子は無事なのか!?」
そんなカッオの姿に、ガラはある日ある男に言われた責任追及の罵声を思い出す。
「貴様のせいだからな!貴様のせいで、私の妻と娘は死んだんだ!お前に殺された様なモノだ!」
しばらく黙っていたガラだったが、その点は答えるべきだと思い言い放った。
「今回の喧嘩の依頼主なら、まだまだピンピンしてるぜ。ま、かなりの超親不孝者に育っちまったがな」
その言葉に、カッオが愕然とする。
「何故だマモ……何故解ってくれないんだ……私が30年前に犯した罪の重さに……」
ガラはクレイモーアに乗り込むと、そのまま無言で去って行ったが、そんなクレイモーアの背中が何故か寂し気に見えたツルギ。
「ガラさん……貴方は……一体……」
ガラ・タンドリーとの決闘に備え、場所取りを兼ねた相談をすべくメカネ中佐の許を訪れるツルギ。
「つまり、モビルフォース同士の一騎打ちが出来る場所を我々が提供しろと?」
「無論、貴方達管理委員会の意見を無視した懇願なのは解っています。ですが、この戦いの被害は出来るだけ少なくしたいので」
そう言うと、深々と頭を下げるツルギ。
だが、メカネの言い分は予想外のモノだった。
「寧ろ……私達が先に貴女に依頼するべき案件なんです。ガラくんが使用する非公式のモビルフォースは、他のスペー
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