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詭道贋作ガンダム・戦後の達人
第4幕:喧嘩の男
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った。
「半年戦争で沢山の死を観てきたからですか?」
カッオが慌てて謝る。
「すいません!そんな心算は―――」
が、ツルギは優しそうな笑みを浮かべながら言う。
「いえ、その通りですから。それに、あの事件が無ければ、私は不殺縛りに対してこれ程の拘りを持っていなかったかもしれないし」
ライトが恐る恐る訊ねる。
「その不殺縛り……」
だが、やっぱり恐ろし過ぎて言葉が続かない。
「……聴かなかった事にしてるれ」
が、そんなライトの恐怖がツルギを満足させる。
「今はそれで良いんですよ。殺す側が死への恐怖を失う事がどれだけ危険な事か……」
カッオは、その時のツルギの表情がどこか満足気で……どこか悲しげに見えた。
それ故か、ライトがわざと慌てた様に見せかける。
「そんな事より、あのおっさんの息子だよ!アイツを止めないと、今度はここを破壊されるだけじゃ済まなくなるぞ!?」
ツルギは、ライトの気遣いに気付きながらライトの意見に同意する。
「……そうですね。今は兵器の魅力に溺れているだけですが、兵器や戦闘の魅力に酔い過ぎて命や死の重さを忘れた存在になられたら、もの凄く迷惑ですからね」

が、その1週間後、カッオの息子に襲撃を依頼された暴走族のヘッドがたった1機で乗り込んで来た。
「喧嘩……売りに来たぜ」
この一言だけで、カッオの息子に襲撃を依頼された敵である事は判明したが、まさかたった1人でやって来てくれるとは思ってもみなかった。
「あんた、パシリかよ?」
ライトの言葉を嘲笑うヘッド。
「あははははは!」
「何が可笑しいんだよ?」
「笑わせてくれるぜ。たった1人で敵陣に突っ込む奴をパシリ扱いとは……お前、結構安全地帯に頼るタイプだろ?」
少しだけドキッとしたライトに反し、ツルギは心配そうな笑みを浮かべた。
「大層な自信ですけど、これって本当に勝算が有っての事ですか?もしもそうではないと言うのであれば、勇気と無謀の違いが判っていないとしか―――」
「あんたかい?赤い鷹匠の元愛機の現在の運転手って言うのは?」
ツルギのお節介を遮りながら訊ねたヘッドだったが、ツルギの背の低さとたわわな乳房の膨らみが際立つ体型を視て、失礼ながら「本当にこいつが?」と言う感情が浮かんでしまうヘッド。
そう……ツルギに大昔の名作の名言を使った意地悪を言われるまでは。
「大きさは関係無い。そんな事はどうでも良い。わしを見ろ。わしの大きさで力量が測れるか?」
心の中に棲み付く油断を見透かされたと思いドキッとするヘッド。
「お?言ってくれるじゃねぇか。これは楽しい喧嘩になりそうだぜ?」
一方、ライトはヘッドの言い分に何かが引っ掛かっていた。
「ちょっと待て?お前はこの博物館にある兵器を根こそぎ盗んで来いって言われたんだよな?」
「あ?そうだ
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