第4幕:喧嘩の男
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と判断し、自身が最も訊きたかった質問をした。
「それより、以前依頼された連中を楽々と倒したドライバーって言うのは、本当に強いんだろうな?」
「ソレを訊いてどうするんです?」
「こっちは雑魚狩りに飽きてきたところでよ、そろそろ歯応えが欲しいんだよ」
が、依頼主は不満げに言う。
「何を暢気な事を言っているのです!今回の解放は、失敗は許されないんです!」
呆れた手下達が代わりに返答する。
「あの博物館には、例の赤い鷹匠が目玉だそうです」
その途端、ヘッドの目が輝いた。
「赤い鷹匠だと!?」
が、依頼主は不満げに言う。
「赤い鷹匠がかつて使ったモビルフォースを運転してるだけの話ですよ!あの駄目小娘は、本物の赤い鷹匠とは比べ物にならない程中身が伴ていませんよ!本物の赤い鷹匠はあんな腐った外道の様な台詞、吐きませんよ!」
大分めんどくさくなってきたヘッドは、闘志と志気を漲らせながら立ち上がる。
「だったら試してやろうじゃねぇか……その小娘が赤い鷹匠の元愛機に相応しい化物か否かをな!」
一方、ヘッドの手下達は依頼主に関する最も重要な事を質問した。
「ところで……あんたよくあんな檻から抜け出せたな?」
そう。この依頼主の正体は、こことは別の暴走族を率いてカッオが開展しようとしていた戦争博物館を襲撃し、ツルギに返り討ちにされてアニアーラ管理委員会傘下軍隊に逮捕された……カッオの息子であった。
「それだけあのバカ親父が憎いって事ですよ。あのバカ親父さえいなければ、あそこに囚われて閉じ込められた兵器はのびのびと大活躍する事が出来たんですよ!」
ソレを聞いたヘッドはボソッと呟いた。
「……哀れだな」
一方、カッオの息子の脱獄の一報はツルギ達の耳に届き、ライトがカッオをお人好しと決めつけた上で質問した。
「馬鹿言えよ!このおっさんのガキがそんな悪さするのかよ!?」
が、カッオがバツ悪そうにしているのに気付いて困惑する。
「嘘だろ?」
ツルギがカッオの代わりに答える。
「カッオが戦争を否定する為に必死になって集めた兵器を全て奪おうとしたのです」
「ん?親父の仕事を手伝うじゃなくて?」
そんなやり取りを聞いたカッオがようやく口を開いた。
「私が悪いんです。私が戦争の恐ろしさを正しく伝えるのが下手過ぎるから……」
が、そんなカッオの自虐的な謝罪の言葉を不満そうに遮るツルギ。
「実戦を知らな過ぎるから言える戯言ですよ。ああいうのはもっと痛い目に遭わないと解りませんよ」
ライトが珍しく真面目に言う。
「そうだったな。お前は、俺達と違って半年戦争の参加者だったんだよな?」
カッオもそれに続く。
「言いたくは……無かったんですが……その……」
ツルギは、カッオが言い辛そうに言おうとした台詞を代わりに言
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