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詭道贋作ガンダム・戦後の達人
第4幕:喧嘩の男
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なかったんだな君は」
「と言うと?」
「管理委員会傘下軍隊の将校さんが直接この博物館に謝罪に来てな、ウミギ率いるモビルフォース小隊の解散を宣言していったよ」
「それって、ウミギの奴が降格と言う事かよ?」
「……いや。それだけで済めば良いがなあの男」
「……え……」
ツルギが強引に話を戻す。
「私の心配は、それだけですか?」
急にツルギに声を掛けられて驚く2人。
「うお!忘れてた!」
「いや、そう言う訳ではないんだが」
「まあ良いですよ。今のところ、ウミギさんレベルの人達としか戦っていませんから、5速の必要はありません。ただ……」
「ただって何だよ?……」
「ウミギさんを大きく凌駕する人との戦いだと、ウミギさんと戦った時の様な2速や3速でお茶を濁す事は、出来ないかもしれません」

しばらくして、ヒートツーハンデッドフォセを操るモビルフォース擬きの運転手である暴走族のヘッドが1人の男の依頼を聴いていた。
「で、本当に良いのかよ?」
依頼主は、ヘッドの予想外の言葉に驚いた。
「と……申しますと?」
逆に質問されたヘッドは不満そうに首を傾げた。
「申しますも何も、いくら意見が正反対だからって、そいつはまかりなりにもお前の父親なんだろ?」
だが、依頼主はターゲットへの悪口を止めなかった。
「あのバカ親父が悪いんですよ。あいつらをあんな所に閉じ込めて、活躍の場を奪って―――」
「親父……ね?」
ヘッドは、依頼主の愚痴を聴いている内に、かつてメカネに言われたある台詞を思い出した。
「貴方を逮捕する事は出来ません……貴方は、被害者の父親ではありませんから」
依頼主はターゲットへのかなり長めの罵詈雑言を息を切らせながら言い終えると、ボーっとしているヘッドに声を掛けた。
「すいません?聞いてます?」
実は「あのバカ親父が悪いんですよ」から先は完全に聴いていなかったヘッドは、少し考えてから当たり障りのないと思われる返答をした。
「まあ……端的に言えば、その父親さんが持ってる全ての兵器を根こそぎ奪って来いって事だろ?」
が、そのせいで話を聞いていなかった事がバレてしまった。
「奪う?お前さんは何を聴いていたんですか?これは強奪どころか奪還ですらありません!」
「じゃあなんだよ?例の博物館から兵器を全て根こそぎ奪えって言ったのは―――」
そのせいで、依頼主の語りが更にヒートアップする。
「やはり聴いて無かったじゃないですか!あれだけの話を聞いて、まだ今回の聖戦を『解放』ではなく『強奪』と言ってしまう時点で!」
ヘッドの手下達は、「どう考えても強奪だろ」とツッコみたかったが、下手に喋ればまたあの長いターゲットへの罵詈雑言を無理矢理聞かされると思い、黙る事にした。
ヘッドもまた、依頼主の口をこれ以上開くと話が進まない
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