第4幕:喧嘩の男
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大半のモビルフォース擬きは公式モビルフォースには勝てない。
材料はスペースデブリ密漁で得た中古品な上に、容姿も威圧的な外見重視なのがその理由である。
だが、ほんの一握りのモビルフォース擬きは公式に勝る性能を誇っていた。
モビルフォースの身長とあまり変わらない両刃剣を振り回す低身長なモビルフォース擬きもその1体であった。
「流石兄貴!たった1人でこの様だぜぇ!」
その言葉通り、敵対する暴走族が運転するモビルフォース擬きを軽々と一蹴していた。
しかし、
「つまんねぇ」
無双していた男が退屈そうに呟くと、対立していた暴走族がその言葉に激怒した。
「ふざけんなよぉ!俺達が―――」
ヒートツーハンデッドフォセによる寸止めで敵の負け惜しみを制した男は、退屈そうにあくびしながら静かに罵倒する。
「弱えぇ。まるで使えねぇ」
そして、飽きたかの様に敵対する暴走族に背を向けた。
「どこかに……俺を満足させる敵はいないのもんかね?なんなら公式(管理委員会)に襲われたいくらいだよ」
ま、この男なら、流石に公式でもツルギに心身共に一蹴されたウミギはお断りだろうが……
そんなツルギはと言うと、
「私の頭?」
悪口と勘違いされたと勘違いしたライトが慌てて釈明する。
「お前の頭が可笑しいと言ったのは、単に頭脳指数がって意味じゃなくて!―――」
ツルギが意地悪そうな笑みを浮かべながら言う。
「大丈夫ですよ。フェルシュングの事ですよね」
「そう!それ!」
その点はカッオも気になっていた。
「この前ガンダムを奪った青年は、ヒートウイングビットに必要な脳波量に届かず、脳波不足による一時的な脳死によって短期入院……今は完治して正常な生活を送っているから良いが……」
ツルギがライト達を安心させるかの様に説明する。
「だからフェルシュングをマニュアルトランスミッションにしたんです。どう言う訳かオートマチックトランスミッションよりマニュアルトランスミッションの方が高性能なのもありますが、マニュアルトランスミッションの方が出力を調節し易いんです」
だが、カッオはその説明に訝しむ。
「と言う事は、ギアを最大にした事は1度も無いと?」
それに対し、ツルギは首を横に振る。
「いえ……10年前の半年戦争の時に何度か。まあ、その時は順番にゆっくりとギアチェンジを行ってじっくりと脳を慣れさせてからだったですけどね」
「……そうか……」
「そのギアMAXの時って、頭が痛くなかったの?」
「一気に行かずにゆっくりとギアチェンジをすれば大丈夫な筈です。それに、あの時のウミギさんと同じレベルが相手なら、5速は必要無いかと」
ライトはウミギの意味が解らなかった。
そこで、カッオが説明する。
「そうか、あの時の謝罪に立ち会ってい
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