孤島編 悪魔の鉄人と気高き処女姫 最終話
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素早く跳び乗って行く。彼の手を取ったヘレンも、それに続いて何とかヘリに乗り込むことが出来た。
「マイク、急いでくれ! もうすぐ島が吹っ飛ぶ!」
「おいおいマジかそりゃあ!? どんなサプライズだよ、今日は俺の誕生日じゃないぜぇ!? ……それなら超特急で出発しなきゃなぁ、2人ともしっかり掴まってろよッ!」
「えぇ、お願いっ!」
2人の搭乗を確認したマイクは彼らの言葉を待つまでもなく、一気に高度を上げて全速力でその場から飛び去って行く。シャドーフォートレス島を飲み込むほどの爆炎が要塞内部から噴き上がったのは、それから僅か1分後のことであった。
「……っはぁ〜! 今日の俺達、過去最高にツイてるぜぇ……!」
「あぁ……全く、最高だ」
ミサイルスパルタン用の予備弾頭をはじめとする島中の爆薬が、自爆装置によって一気に誘爆したのだ。あとほんの少し離陸が遅れていたら、マイク達も島と運命を共にしていたのだろう。その光景を見届けたマイクとオルバスは顔を見合わせ、共に安堵の息を漏らしていた。
「ふぅっ……今回ばかりはさすがにダメかと思ったぜ。そういやぁ、アーヴィング捜査官はそのスーツ脱がないのか? 随分汗だくじゃねぇか」
「……私にここで裸になれって言ってる?」
「あぁ……そういうタイプのスーツか。悪い、今のはナシだ」
間一髪のところで窮地を脱したことを実感し、変身を解除したオルバスこと忠義。彼は素顔を晒しているヘレンと共に、深く息を吐いて背凭れに身体を預けて行く。水平線の彼方からは朝陽が登り始めており、眩い陽光が彼らを照らし出そうとしていた。
「……帰ったら1杯やろうぜ、マイク。今日ばっかりは、飲まなきゃやってられねぇよ」
「おう、それなら場所は俺に任せとけ。良い店知ってんだ」
「ハッ、それを聞いてロクな店に当たった試しが無いんだが?」
「今度は間違いねぇよ、マイク様の眼を信じなぁ」
「信じてるさぁ、パイロットとしての眼だけはな」
赤と黒を基調とするノースリーブの特殊戦闘服を着用している、金髪碧眼の色白な美男子。そんな正体を露わにした忠義は朝陽に視線を向けながら、疲れ果てた表情を浮かべてマイクと軽口を叩き合っていた。
「……しっかしアイアンザックの野郎、最後の最後まで人騒がせな奴だったぜ」
「本当、間一髪だったわね……。それにしても、このサラマンダーは一体……?」
一方、ヘレンは何故かあの現場に落ちていたサラマンダーのパーツに視線を落とし、訝しげな表情を浮かべている。そんな彼女の手元に気付いたマイクは、あっと驚いたように声を上げていた。
「あっ!? おいおいアーヴィング捜査官! そのサラマンダー、あんたが見付けてくれてたのか!? 対策室の武器庫からサラマンダーのパーツが盗まれてたってん
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