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仮面ライダーAP
孤島編 悪魔の鉄人と気高き処女姫 最終話
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ある。そんな彼の最期を見届けたヘレンとオルバスは、複雑な表情を浮かべて立ち上がっていた。

『自爆装置が作動しました。全構成員は直ちに避難してください。繰り返します。自爆装置が作動しました。全構成員は直ちに――』
「なっ……自爆ですって!?」
「アイアンザックの野郎、俺達を道連れにしようってのか! どこまでも往生際の悪いッ!」

 その時、突如この一帯にけたたましい警報が鳴り響いて来る。どうやらアイアンザックの死に反応して、自爆装置が作動するシステムが設けられていたようだ。万一新世代ライダー達に敗れたとしても、タダでは死なないという執念によるものなのだろう。
 とにかく、この場に留まっているわけには行かない。オルバスとヘレンは来た道を引き返して要塞から脱出するべく、アイアンザックが開けた「大穴」を見上げていた。

 すでに謎の女は姿を消していたが、ヘレンが降下前に固定していたワイヤーはまだ上階に繋がっている。これを利用しない手はないだろう。

「私のワイヤーなら安全に上まで登れる。さぁ、私に掴まって!」
「……お、おう!」

 ワイヤーの固定が十分であることを確認しつつ、ヘレンはオルバスに向けてか細い手を差し伸べる。凹凸の激しいボディラインが露わになっている軽装型のスーツを一瞥したオルバスは、躊躇いがちにその手を取り、彼女のくびれた腰に腕を回していた。

 鎧越しである以上は感触など分からないのだから、ヘレンの爆乳がむにゅりと密着して来ることなど、気にする必要はない。そもそも迅速にここから脱出しなければならない場面なのだから、いちいち気を取られてはいられない。この状況を鑑みれば、容易に頭で理解出来ることだ。

「……まるっきり意識されないってのも、それはそれでなんかイヤだな……」
「何か言った?」
「別に!」

 それでも、「健全な男子」であるオルバスこと忠義の本心としては――当のヘレンが全く気にする素振りも見せない点について、思うところがあったのか。彼はどこか腑に落ちない表情を浮かべながら、ヘレンの身体を抱き寄せていた。

 ◆

 そして、アイアンザックが開けた「大穴」から上階に登った2人は、残された力を振り絞って要塞内部を走り抜けて行く。疲弊し切った身体を引き摺るように、入り口前まで足を運んだ2人を待っていたのは――1機のヘリコプターだった。

「待ってたぜぇお2人さん! エスコートの準備は万全だァ、早いところ乗ってくれッ!」
「おうっ、待たせたなマイク! アーヴィング捜査官、行くぜ!」
「ええっ!」

 オルバスこと忠義を乗せて来たヘリが、2人を暖かく出迎えていたのである。共に幾つもの事件を解決して来た「相棒」である、ヘリの男性パイロット――マイクに手を振り、オルバスは高度を下げた機内に
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