第八十七話 妹の受験その十四
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「特に好きなのは鱧かな」
「ああ、鱧ね」
「あれいいよね」
「鱧は別格じゃないかしら」
串カツの中でもとだ、理虹は笑って応えた。
「高いこともあるけれど」
「味がね」
「違うのよね」
「何か関東じゃ食べないんだよね」
「あっちの子皆言うわよね」
「鱧って何ってね」
「そこまでね」
このことも話した。
「言うよね」
「実際にあっちじゃ食べないから」
「獲れないから」
「そうみたいね、鱧っていったら」
理虹はこの魚についてさらに話した。
「あらいにしてもお吸いものにしてもね」
「焼いてもね」
「それで揚げてもね」
「何にしても美味しいね」
「お父さんお吸いもので頭が好きなのよ」
この料理の時のというのだ。
「一番美味しいって言ってね」
「ああ、だしも出て」
「それでね」
「頭も食べて」
「それが一番美味しいってね」
その様にというのだ。
「いつも言ってるわ」
「そうなんだ」
「実際私もね」
理虹もというのだ。
「お吸いものの中の身がね」
「好きなんだ」
「ええ、あれがね」
「僕もいいと思うよ、ただ個人的にはね」
「串カツのなのね」
「その時の鱧が一番好きだよ」
こう言うのだった。
「何と言ってもね」
「そうなのね」
「じゃあその串カツもね」
「食べましょう」
「そうしようね」
「二人でね」
笑顔で話しそしてだった。
二人で一緒に団地に着くとだ、古田は理虹に告げた、
「その時はここで待ち合わせしようか」
「団地の入り口で」
「そうしない?」
こう提案したのだった。
「それで地下鉄に乗って」
「あそこまで行くのね」
「そうしよう」
「いいわね」
理虹も笑顔で応えた。
「それじゃあね」
「それで行こうね」
「そしてそのうえでね」
「二人で楽しもうね」
「そうしましょう」
こう話してだった。
理虹は古田と一緒に団地まで帰った、自分達の部屋にまで送ってもらったが最後別れるときそこまで送ってくれて有り難うと彼に対して言った。
第八十七話 完
2023・5・23
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