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黒崎一護の異世界物語
転移する一護
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する程の価値も無いのだ。君は超越者たる私の手による死を迎える。私は君を打ち殺す事で、死神と虚という低劣な存在から完全に訣別する。終わりだ!!黒崎一護!!」

咆哮する藍染。そんな藍染に一護は静かに呟く。

「………終わりだと?」
藍染を睨み付ける一護。

「こんなもんかよ?」

ただ刀を振るっただけで頭上に展開していた霊力は破壊され、その光景に理解出来ずに一歩後方へ下がる藍染。

一護はそんな藍染に言う。

「……止めにしようぜ藍染……あんたの理屈はもううんざりだ……」

そう言って一護は、右腕と融合している刀に左腕を翳す。

すると、右肩から漆黒の霊力が炎のように昇る。

「見せてやるよ。最後の月牙天衝だ」









一護を中心に、世界全てを閉ざすかのよいな黒い………黒い漆黒の闇が包み込む。その闇の中にいる一護に呟く藍染。

「―――何だ、その姿は―――――」

「“最後の月牙天衝”ってのは、俺自身が月牙になる事だ」

鼻上から体全身を黒い布のような仮面で覆い、右腕から噴き出すかのように漆黒の闇が意思を持っているかの如く動く。

「この技を使えば俺は死神の力の全てを失う。“最後”ってのはそういう意味だ」

姿も力も変わった筈の一護を前にしても何も感じることのできない藍染。その意味にありえないと首をふる。

「(まだ………何も感じない。まさか、私は死神とは別次元へと進化を遂げる事で二次元の存在が三次元の存在に干渉できぬように、自ら意図的にレベルを下げて干渉させぬ限り死神にも人間にも私の霊圧を感じ取る事はできなくなった。まさ………まさか……奴は……奴は私よりも、更に上の次元に立っているというのか――――――)」

その意味に咆哮する藍染。

「馬鹿な!!そんな筈がある!!人間如きがこの私を超えるなど!!そんな事が――――」

一護はそんな藍染に構うことなく、右手を広げその先に漆黒の霊力が線になった何かを握る。

「【無月】」

漆黒が世界を染め上げた。









その時突如発生した次元を揺るがす空間の乱れ。

「っ!何だいったい」

無月を放つ寸前故に霊力が掻き消える。

突如空間が割れ、その中から発生する次元流に捕らわれる一護。

「逃げ―――きれねぇ!!」

逃げきれないと悟った一護は抵抗を止め、流れに身を任す。

「すまねぇみんな。俺は………ここまでだ」

一護は仲間にそう告げて………消えた。









藍染もその次元に巻き込まれて。

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