第10章
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けど、その場面はあんまり無かった。しばらくして、みく美がこころと交代してくれて、奥の深いところを狙ってくれていた。美湖は、はずんでくる直ぐのところを狙って打ち返していた。多くはバックハンドで体重を乗せていっていた。フットワークの強さで適格にその位置にいって身体が安定しているのだ。だから、適格に相手のコーナーを突いていたのだ。そして、チャンスとみるや前に出てボレーで返していた。
練習を終えたあと、私はみく美と美湖に
「ありがとう 何となく ウチ 掴めた気がする」と、言ったら、美湖が
「うーん? なんの 話?」
「ふっ いいの! みく美 明日も付き合ってネ」
次の日、みく美に相手をしてもらって、私は・・・踏み込んでいって、バックハンドで・・・ダイレクトにボレーで返す練習もしていた。コーナーを狙っていたのだけど、みく美の助言もあって途中からサイドラインを狙う練習を重ねていた。だけど、レシーブのコースが不安定で半分くらいしか決まらなかったのだ。その様子を見ていたのか璃々香先輩が
「山葵 思いつきじゃぁ 通用しないよ みく美が簡単に返してるじゃぁない もっと、テイクバックをコンパクトにして 重心も下げて、体重を乗せて行かないと、威力でないよ」と、声を掛けてきてくれた。
「まぁ そんな腰がふらふらしてたら コースも安定しないよね 鍛え直しじゃぁない?」と、言い方が相変わらず、冷たかったのだ。
その夜から、私はお店の前の駐車場を借りて、反復横跳びに屈伸運動とかを、お風呂に入る前にしていたのだ。
数日後、練習の終わり間際、璃々香先輩に呼ばれて
「私が相手してあげるから」と、コートに立たされて、先輩は私のベースライン際に打ち込んできた。そして、私が返しても何度も・・・。そのうち、何度か先輩のサイドラインを私のバックショットが割って行ったのだ。
「まぁ これから、トレーニングで鍛えて行けば、響から女王の称号もらえるんじゃぁない その調子よ」と、終わった時、励ましてくれたのだ。私は、シャワールームでみく美と抱き合って喜んでいた。
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