2話
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な顔をしていたけど折れてくれた。まだウチは小さい子供やから家に一人でいさせたくないのは当然だと思う。でも、ウチにとってはそっちの方が楽なんや。師匠すいません。
「そっか。ほなそういうことで。次は稽古のことや。今言ったけどウチは昼間は仕事やから面倒みれん。だから、稽古は早朝とウチが帰ってきてからやろうと思う。それでええか?」
「うん。それしか時間ないからしかたないやん」
本当はもっと長く稽古つけて欲しかったけどしかたない。さっきもわがまま言ってしまったし、これ以上師匠に迷惑をかけるわけにはいかんからな。それに昼間は一人やから暇やろうしな。その時にでも鍛錬すればええ。
「とりあえずはこれくらいやな。後の細かいことはその都度決めてけばええやろ。そうやった、刹那の部屋が必要やな。ま、空き部屋ならいくらでもあるから好きなとこ選べばええよ。荷物運んどいてくれれば布団はウチがもってくから」
「部屋はどこでもいいですよ」
「そっか。なら、急がんでもええか。っと、それじゃ先お風呂入らせてもらおうかな」
もう話すことはなくなったようで、師匠はお風呂に入りに行ってしまった。師匠がでたらウチも入らせてもらおう。そんなことを考えながら自分の部屋の候補探しのために居間を出た。部屋はいくつもあったが半分ほどしか使われていなかった。いくつか目星をつけながら屋敷の中を歩いていると中庭を見つけた。まだ師匠がお風呂からでるまで時間があるだろう。
縁側に座って中庭をながめてみるが月明かりだけではよくわからなかった。中庭は明日にでもじっくり見ることにしよう。
ふと、見上げると綺麗に月が見える。満月というには少し欠けている。そんな月だった。周りには星がいくつか輝いている。
…里の方が星が綺麗だったな。
そんな、良い思い出などほとんどない里のことを思い出す。もうあの里には二度と帰らないだろう。そう思うと、嫌なことや辛いことばかりだった場所なのに急にさびしくなる。思い出すのは楽しかったことばかり。もういない両親と過ごした場所…
いや、そんな思いでに浸っていてもどうしようもない。自分を変えるために、強くなるために里を出て師匠についていくことを決めたのだから。
明日から師匠が稽古をつけてくれる。剣なんて使ったこともなければ持ったこともない。上手く扱える自信なんてなにもないけど、それでも強くなるために頑張っていこう、そう思う。だって、ウチにはもう、帰る場所はないのだから…
Side 鶴子
「刹那。出たえ〜。次早く入りな」
髪をタオルで拭きながら居間に戻って来たのだが、居間には刹那の姿がなかった。
「あの子どこいったんや?早く入らんと冷めてまうのに…。はぁ、探しに行くか。迷子になってるかもしれへん
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