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ナノマシン
第二章

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「超えていないな、並ぶこともな」
「ないですね」
「必ず何かしら欠点があります」
「詳しく検証しますと」
「実験もして確かめますと」
「これはだ」
 教授は助手達に真剣な顔で話した。
「ナノマシンは人間が造ったものだな」
「そうですが」
「それが何か」
「今回のことで関係がありますか」
「ある、人間は不完全な存在でありだ」
 それでというのだ。
「生み出すものもな」
「不完全である」
「そうなのですね」
「どれだけ優秀なものでも」
「そうだ、だが自然のものは神が生み出されたものだ」
 教授は真剣な顔で話した。
「それ故に細菌も細胞もだ」
「ナノマシンより優れていますか」
「どれだけ優れたナノマシンよりも」
「そうなのですね」
「そうだ、この世で完璧な存在は神のみであり」
 そしてというのだ。
「その生み出されたものは妙なる調和によって動いていて」
「ナノマシンより上ですね」
「人が生み出したものよりも」
「不完全な人間がそうしたものよりも」
「そういうことだ、そしてどんな細菌や細胞にも弱点があるのなら」
 それならというのだ。
「ナノマシンもな」
「然りですね」
「弱点が存在しますね」
「ナノマシンより優れた細菌や細胞にも弱点があるのなら」
「そうだ、だからどれだけ恐ろしいナノマシンが世に出てもな」
 そうなろうともというのだ。
「必ずな、人はな」
「攻略出来ますね」
「それが可能ですね」
「悪魔的に恐ろしいナノマシンであろうとも」
「そうだ」
 まさにと言うのだった。
「そのことを確かめる検証と実験だったが」
「そのことがわかりましたね」
「左様ですね」
「連邦政府からの依頼は」
「まさにそうだった、では論文としてまとめてだ」
 検証と実験の結果をというのだ。
「連邦政府に提出しよう」
「わかりました」
「それではです」
「そうしましょう」
「そして報酬で皆で飲みに行こう」 
 教授は最後はこう言った、そして論文を助手達と共に書き彼等と共にそれを連邦政府に提出し報酬を受け取りそれで飲みに行った。
 彼等の話はこれで終わりだが彼等のナノマシンに関する検証と実験の結果は以後人類に大きな道標となった。
 どんな優れたナノマシンも自然のものには劣る、このことがだ。そして実際に人類はそれから多くのナノマシンを生み出したが自然のものを超えられなかった。ナノマシンが使われ続ける限りそうであった。


ナノマシン   完


                  2023・3・15
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