第二章
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「それでやっと帰ってきたのかしら」
「それで疲れてるのかな」
「あっ、首輪に何かあるわ」
ルイを撫でて癒さんとしているマロリンがここでこのことに気付いた。
「お手紙みたい」
「お手紙?」
「そんなものがあるの」
「そうなの」
これがと答えてだった。
その手紙を出して読んでみるとだった。
「ロブさんって人からね」
「ロブさん?ここから結構離れたところで農園持ってる人か」
父はその名前を聞いてふと思い出した。
「何十キロとな」
「あの人ね。あの人がどうかしたのかしら」
母もどうかという顔で言ってきた。
「一体」
「何だろうな」
「気になるわね」
「そうね、ええとね」
娘は読みつつさらに言った。
「何かロブさんのお家のワンちゃんをルイが助けてくれたみたい」
「えっ、ルイがか」
「そうなの?」
「外出していたロブさんのところまで行って」
そうしてというのだ。
「ロブさんをその時木に挟まって動けなくなっていた」
「ロブさんの飼い犬をか」
「助けてくれって言ったのかしら」
「ロブさんのところに来てしきりに鳴いてそちらに何度も振り向きながら行って」
「そして案内したんだな」
「そうなのね」
「そう書いてあるわ」
手紙にはというのだ。
「それでそのワンちゃん、マディっていう女の子のところまで案内して」
「助けたんだな」
「それから」
「助けようとするロブさんのお手伝いをして」
そうしてというのだ。
「木を引っ張ったり穴を掘ったりしてね」
「そうしていたんだな」
「何処に行ったかって思っていたら」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「マディを助けた後で帰ろうとしたら」
「その手紙を首輪に入れたんだな」
「そうして私達のところに帰ってきたのね、ルイは」
「そう書いてあるわ」
手紙を全て読み終えてから述べた。
「驚いたことにね」
「本当に驚いたよ」
「全くよ」
両親もそれはと続いた。
「何処に行ったかと思ったら戻って来て」
「それでだからな」
「そうね、けれどこのお手紙に書いてあることが本当のことなら」
それならとだ、マロリンは両親に今度は真面目な顔で述べた。
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