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仮面ライダーカブト 明日のその先へ
第四十章
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首を横に振る。
「いいことだ。人間は誰しも居場所が必要だ」
「ライダーであってもな」
「当然だ。仮面ライダーは人間そのものだ」
 天道はそう述べる。
「居場所があって当然だ」
「そうか、そうだよな」
 その言葉に頷く。加賀美にとっても天道にとってもその居場所が必要なのは言うまでもないことなのだ。加賀美もそれをようやく胸の中でわかってきたのだ。
「何か今気付いたな」
「気付くのは何時でもいい」
 天道はまた加賀美に告げる。
「気付かないことこそが問題だからな」
「そうだよな。じゃあ俺も今はそこにいるからな」
「そうか、美味いものが食いたくなったらサルに来い」
「御前はサルに入るのか」
「そうだ」
 微笑んでその言葉に頷く。
「ひよりの側にいつもいてやる。そう決めたからな」
「そうか。じゃあまた来るな」
「何時でも来い。御前の舌を唸らせてやる」
 加賀美も別れた。最後に残ったのは天道とひよりだけになった。
「御前はサルに入るのか」
「それでいいな」
「嫌だと言っても来るんだろう?」
 表情を変えずに天道の方を見上げて問う。
「今まで通り」
「そうだな。それが俺なのだからな」
「じゃあ師匠」
 そこに麗華が来た。樹花も一緒である。
「また四人で仲良くやりましょう」
「お兄ちゃん、またね」
「そうだな。その前に一つやることがある」
「それは何だ?」
 ひよりがそれに問う。
「これだ」
「それか」
 取り出したのはハイパークロックアップだった。左手に持ってそれを掲げる。
 するとハイパークロックアップは一瞬のうちに消えてしまった。まるで煙のようにだ。
「消えたか」
「過去の俺に送った」
 天道は言う。
「あの時の俺にな」
「戻っては来ないのか?もう御前の手には」
「いや、戻って来る」
 天道は自信に満ちた声でひよりに答える。
「次の戦いまでにはな」
「そうか、次の戦いまでにはか」
「イマジン」
 天道は言った。
「時間を行き来する者達が今度の相手になる。奴等との戦いにはハイパークロックアップが必要だ。無論他の敵もまだ出て来るだろう」
「ワームもか」
「他にもいる。俺達の戦いは続く」
「何時終わるかはわからないんだな」
「人の歩みが続く限りだ」
 天道は言う。
「それは永遠にな」
「それでいいんだな。御前はその時を永遠に戦って」
「俺がこの世に生まれ、仮面ライダーとなった理由はそれだ」
 天を見上げてひよりに告げる。
「太陽は。永遠に人と共にあるのだからな」
 その太陽の化身となって次の戦いに赴こうとする。彼は果てしない戦いの中で無限の輝きをもたらそうとしていた。仮面ライダーとして。


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