転生
第四話
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ていたので安心していのかもしれない
だが出来ることならばそんなことを考えていた過去の自分を殴ってでも考えを改めさせたかった
その甘い考えのせいで娘のヒナタが誘拐された
部下も部屋にいないのをトイレかなにかだと思っていたようだ
だがいつもヒナタが羽織っていたピンクの上着が残ったままだったらしい
あの子はこの上着が大層気に入っていたようで寝間着に着替えたら起きている時は常に着ていたからこれが部屋に残ったままというのはおかしいと部下も思い、そこで初めて誘拐の可能性に気づいたようだ
しかし部下の者が言うにはまだ布団にはぬくもりが残っていたとのことだからそこまで遠くには行っていないのだろう
急げば国境までには追い付けるはずだ
私はヒナタをさらった奴を許す気などなかった
日向の者に手をだした己を悔いながら命を散らすがよい
私はそう思って屋敷を飛び出たがその思いは果たされることなく終わった
我が家から僅か数メートルの距離にヒナタが座り込んでおりそれを子供が顔を覗き込んでいた
それを見た私は安心感からか忍びとしてではなく初めてあの娘の父親として接することができた
「ヒナタ!無事だったか!?」
人の目などを憚ることなくあの娘をただひたすら抱きしめた
「よかった…お前が無事で本当によかった…」
今までヒナタに対して宗家の当主と跡継ぎという関係を強調して生きてきたが今は、今だけはこの娘の温もりが失われることなく良かったと1人の父親として感じていた
そして初めてそばにいた少年に対して意識を向ける余裕が生まれた
「君が娘を助けてくれたのかな?」
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