第三十七章
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「最強のネイティブとなった私を倒すとは」
「人は変わる。天道の言葉だ」
今それを彼も言った。
「それは俺もだ。だから御前に一人でも勝てたんだ!」
「そうか。そういうことだな」
「そうだ、わかったか」
「わかった。しかしだ」
だが三島はここで前に倒れ込もうとする姿のまま不敵に笑ってきた。
「何だ?」
「人は神には勝てはしない」
それが彼の今の言葉だった。
「決してな。それを最後に教えてやろう」
「最後にか」
「そうだ。キュリオスには決して勝てない、神にはな」
こう言い残して爆発の中に消えた。加賀美はそれを黙って見届ける。その横では天道と根岸の対決が終わっていた。
「終わりだ」
天道は根岸に対して背を向けてきた。
「どういうつもりだ」
「御前は終わりだと言ったのだ」
そう根岸に宣告する。まるで既に勝ったかのように。
「疑うというのなら来い」
「ぬう」
根岸は馬鹿にされたと思った。天道のそれをあからさまな挑発だと。激昂し後先を考えず突進してきたのだ。
「私を・・・・・・馬鹿にするな!」
「ライダーキック」
「ライダーキック」
間合いに入ったその一瞬だった。天道は振り向き鮮やかな踵落としで斜めから切り裂いた。根岸は赤い光の筋と共に動きを止めてしまった。
「ぬおおおおっ!」
「これで決まりだな。やはり御前はその程度だった」
「まさかそう来るとは」
「御前は所詮俺の相手をする器でも何かを変える器でもなかった」
峻厳な響きの声で述べる。
「それだけだ」
「くっ、しかし」
根岸は半ば苦し紛れでまだ言葉を出す、顔は苦悶の表情で今にも倒れようとしていたがそれでも何とか立ってはいた。最早限界であったが。
「それでは我等が王は」
「御前が気にすることではない」
また根岸に言い返す。
「王は俺が倒す」
「できたらな。では地獄でまた会おう」
倒れて爆発を起こす。天道はその爆発を背で受ける。
「天道、終わったな」
「後は王だけだ」
加賀美が来る。その彼に応えて言う。
「キュリオスか」
「そうだ、見ろ」
天を指差す。見れば太陽が皆既日食になっていた。世界が少しずつ闇の中に入り白い光が消え去っていく。まるで悪が世界を包み込むように。
「あそこが入り口だ」
「王があそこにいるのか」
「そうだ。では行って来る」
そう言うとカブトエクステンダーを呼ぶ。それをエクスモードにする。
「王を倒しにな」
「ああ、それじゃあな」
天道はそのままエクステンダーで空を舞い皆既日食の中に入って行く。光と闇を越えその全てを包み込み今決着をつけに行く。辿り着いたのは全く同じ渋谷、隕石の前であった。しかしそこには誰もいない、ただ隕石だけがそこに巨大な姿を現わしていた。
「ここにいる
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