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ドリトル先生と桜島
第九幕その九

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「素晴らしいよ」
「本当にね」
「全くだよ、僕は鹿児島に来てよかったよ」 
 先生もまた言いました。
「心から思うよ」
「全くだよ」
「人間の心の美しさがわかったよ」
「人間はここまで美しくなれるんだ」
「素晴らしいものになれるのね」
「そうだよ、イギリスにいた時日本は敵だったからね」
 第二次世界大戦の時はというのです。
「特攻隊は恐ろしいものでしかなかったよ」
「怖くてね」
「体当たりで向かって来る」
「自分は最初から死ぬつもりで」
「そうしてくるから」
「だからね」 
 それでというのです。
「本当に日本軍自体と戦いたくなかったよ」
「そう思わせることも目的だったしね」
「特攻隊は」
「そして負けた後も日本が侮れない」
「それで国を護れたらって思っていたから」
「その狙いは当たってね」
 そうしてというのです。
「日本は今もあるよ」
「それも繁栄してるね」
「戦災から復興して」
「そこからさらに繁栄に至って」
「そうなったね」
「そうなったからね」
「だからね」 
 それでというのです。
「特攻隊の人達の願いは果たされているよ」
「日本は負けても残っていて」
「繁栄もしている」
「そして日本とは戦いたくない」
「先生みたいに思う人も多いから」
「この人達の犠牲は無駄じゃなかったよ」
 特攻隊の人達のというのです。
「全くね」
「そうだよね」
「無駄な筈がないよ」
「今の日本を見たらわかるわ」
「それでね」
「そうだね、それでだけれど」 
 さらに言うのでした。
「靖国神社のお話もしたけれど」
「特攻隊の人達がいて」
「その他の人達もいるね」
「日本の為に戦って死んだ人達が」
「そうだね」
「そう、だからね」
 先生は皆にお話しました。
「あの神社は大切にしないといけないよ」
「祀られている英霊の人達もね」
「絶対にだよね」
「大事にしないといけないね」
「絶対に」
「そうだよ、それに霊は日本では神様になるけれど」
 祀られると、というのです。
「それだけじゃないね」
「ああ、怨霊にもなるよね」
「日本ってそうしたお話も多いよね」
「昔からね」
「悪魔よりも怖いね」
「魔王にさえなって」
「迂闊にお話出来ない位だね」
 怨霊というものはというのです。
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