第三章
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「私としてはね」
「大事にして可愛がってか」
「楽しい思いをどんどんしてもらってね」
そうしていってというのだ。
「忘れてもらうのよ」
「あんな人達のことは」
「そう、あんなね」
息子のその言葉にまさにと乗った。
「人達のことはね」
「忘れてもらってか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「楽しく暮らしてもらうのよ」
「あんな人達のことなんて忘れてか」
「思い出さない位ね」
「楽し過ぎてか」
「そうよ、私達に出来ることはね」
百合子はまた強い声で述べた。
「そうすることよ」
「それが一番か」
「それでね」
さらに言うのだった。
「今からふわりと遊ぶわよ」
「楽しくさせる為にか」
「そうよ」
その通りだというのだ。
「そうしてね」
「楽しい思いをしたもらって」
「あの人達のことなんかね」
「忘れさせることか」
「そうすることが私達のやるべきことよ」
母はこうも言った。
「ふわりに対してね」
「そうなんだな」
「そう、だからね」
「これからもか」
「家族として幸せに過ごしていくわよ」
「そうだな、じゃあな」
洋介もそれならと頷いた。
「俺もそうしていくよ」
「お父さんも入れて三人でね」
「あんな連中のことはもう忘れる」
「それ位幸せにしていくわ」
親子でこうした話をしたが話が一段落してだった。
暫くするとふわりは洋介のところに来た、そうして黒い目をきらきらとさせてそのうえで尻尾を振りつつ鳴いてきた。
「ワンワン」
「遊んで欲しいか?」
「ワン」
「そうか、じゃあ今から遊ぼうな」
洋介は自分を見上げるふわりに笑顔で応えてだった。
彼女とおもちゃを使って遊んだ、洋介は幸せそうに遊ぶ彼女を見てもっと幸せにしてやろうと思ったのだった。
娘達からも忘れられ 完
2023・7・24
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