第三十二章
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「私はネイティブのリーダーなのに」
「それもまた違う」
天道はまた告げた。
「御前は単にネイティブの一部の上にいるだけだ。全てのネイティブが同じだと思うな」
「ほう」
天道の今の言葉には目の光を少し剣呑にさせた。
「人間と共存を望んでいるネイティブもいる。それが認められない時点で御前は終わっている、それこそが御前の限界だ」
「だからこそ僕には負けないと」
「その通りだ、俺の進化は光速だ」
またしても言い放つ。根岸なぞ相手にはしていないというようにだ。
「御前とは違う。では前口上はいいか」
「ええ。どうやら貴方とこれ以上お話しても無駄なようですし」
「ふん。では来い」
「わかりましたよ。それでは」
ネイティブになった。それは三島のものとは少し違っていた。
天道はそれを見据える。そのうえで言ってきた。
「それが御前の姿か」
「はい」
根岸は穏やかな声で彼に答える。
「私はクワガタなのですよ」
「ガタックと同じというわけか」
「そして我等が主は」
「というと御前はネイティブの戦いの神だというわけだな」
「いえいえ」
その問いには謙遜してみせてきた。ワームとなった両手を前にやって手を振ってみせる。
「そうではありません。私が神なぞとは」
「では宰相といったところか」
天道はこう言い替えてきた。
「そうだな。主に代わり全てを治める者」
「そんなところです。それでは宜しいですね」
「一つ言っておく」
天道は前に出ようとした根岸に声をかけた。根岸はそれを受けて足を止めた。
「まだ何か」
「もう一人の俺のことだ」
あの影の天道について述べてきた。
「あの方が何か」
「最早ネイティブではない」
そう根岸に告げる。
「ネイティブではないと」
「もっと簡単に言おう、御前達ではない」
こう言うのだった。
「あいつは人として生きる道を選んだ。御前達とは完全に違う」
「おやおや、それはまた」
それを聞いてもまだ笑っていた。
「無駄なことを。人に未来はないというのに」
「それも前に言った筈だ」
やはり天道と根岸の考えは相容れないものであた。そして根岸は気付いてはいなかった。そう考えるということそれこそが人間であるのだと。彼は気付いていなかったのだった。
「人は変われるのだとな」
「だからあの方も」
「そうだ」
天道は言い切った。
「そして俺に。これを授けてくれた」
カブトの姿のまま右手をかざす。するとそこに。
「なっ、まさか」
もう一体カブトゼクターがやって来た。天から飛来しそのまま天道の右手の中に収まるのだった。
「見ろ、これが光と影が合わさった真の力だ」
天道は告げる。
「太陽は光。だが影もまた太陽と共にある」
「馬鹿な、ダークカブト
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