第八十七話 妹の受験その五
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「よくない?美人とか美少女と思ったら」
「実は男の人とか男の子で」
「そうした子とデートしたり遊んで」
実加はさらに言った。
「ホテルで、とか」
「人それぞれにしても変わった趣味ね」
理虹は妹の話をここまで聞いて述べた。
「私は普通にね」
「お付き合いしたいの」
「何か最近コスプレして」
そしてとだ、理虹は自分のその属性の話をした。
「お互いにアニメとか特撮のシチュエーションでね」
「楽しむの」
「そういうのいいかもとか思ってるけれど」
「お姉ちゃんもお姉ちゃんでよ」
今度は実加が言った。
「結構ね」
「変わってる?」
「私自分がコスプレするのはね」
「趣味じゃないの」
「女装してる人には思うところがあっても」
即ち属性があろうともというのだ。
「けれどね」
「自分がコスプレはないのね」
「アニメキャラとかになるのは」
そうした趣味はというのだ。
「ないわよ」
「そうなのね」
「まあね、お姉ちゃんの好みもわかったわ」
妹はしみじみとした口調で述べた。
「そうした風なのね」
「アニメとか漫画のシチュエーションが好きって」
「ええ、ただお姉ちゃんもそっちの趣味ないのね」
「人それぞれでしょ」
こう妹に返した。
「本当にね」
「同性愛もで」
「いや、好きな人は好きでも」
「誰もがそうじゃないわね」
「ええ、しかしね」
「しかし?」
「同性愛だけで死刑とかはね」
こうしたことはというのだ。
「ちょっとないわね」
「そんな悪いことかしら」
「違うでしょ」
妹に真面目な顔で答えた。
「何がどう悪いか」
「その人の好みよね」
「別にレズでもホモでもね」
女同士でも男同士でもというのだ。理虹はどうしてもわからないという顔になってそのうえで言った。
「その人のことで」
「好みね」
「それで悪いってね」
「しかも死刑になる様な」
「そんなことか」
「違うわよね」
「何かソ連でも駄目だったらしいけれど」
共産主義のこの国でもというのだ。
「これもね」
「何で、でよね」
「何か秘密の集会みたいになってるとか言われてらしいけれど」
当時の秘密警察のトップであるヤゴーダがスターリンにこう言ったことから否定されそれがソ連の崩壊まで続いたという。
「何でってね」
「どうしても思うわよね」
「本当にその辺りがわからないわ」
「同性愛の何が悪いか」
「それがね」
姉妹でこうした話をした、だがこの話はこれで終わって次の日理虹はアルバイトに出てその帰りにだった。
古田に駅を降りたところで会ったがそこでこう言われた。
「最近あまり会ってないね」
「そうね」
言われてみればとだ、理虹も頷いた。
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