第八十七話 妹の受験その一
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第八十七話 妹の受験
理虹は家に帰ってきた妹の実加がすぐに勉強をはじめ夜遅くまで勉強していたのを見て翌朝彼女に朝食の時に言った。
「あんた頑張ってるわね」
「受験勉強ね」
「あんたの成績だったら大丈夫でしょ」
妹に納豆ご飯を食べつつ言った。
「商業科でも何処でも」
「何言ってるのよ、ちゃんと勉強しないとね」
さもないと、とだ。妹は自分も納豆ご飯を食べつつ姉に返した。
「合格なんてね」
「しないっていうのね」
「そうでしょ」
こう言うのだった。
「やっぱりね」
「それ言ったらね」
理虹もそれはと応えた。
「私も結構ね」
「勉強してたでしょ」
「私なりにね」
「油断してたらね」
「やっぱり落ちるわね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「もうね」
「必死にやってるのね」
「そうなのよ、ちなみに私普通科行くから」
そちらだというのだ。
「お姉ちゃんは商業科だけれど」
「あんたはそっちなの」
「そのつもりなの」
「普通科ね、いいんじゃない?」
何でもないという返事だった。
「そうしてもね」
「私が決めることね」
「私は商業科で色々身に着けて」
「将来の就職になのね」
「役立てたいから」
だからだというのだ。
「成績も商業科行けたし」
「そのこともあって」
「商業科にしたけれどあんたが普通科でしたいことあるなら」
それならというのだ。
「普通科行ってね」
「そこでやっていけばいいのね」
「そうしたらいいでしょ、あんたの人生だから」
それでともだ、理虹は言った。
「私がとやかく言うことでもね」
「ないのね」
「そうだしね」
「何かお姉ちゃんサバサバしてるわね」
「いや、実際あんたの人生だから」
理虹は今度は大根の味噌汁をすすって話した。
「私が何か言ってもね」
「意味ないの」
「そうでしょ」
「だからなのね」
「勉強して悪いこともないし
「受験勉強頑張って」
「普通科行ったらいいわ」
こう言うのだった。
「あんたがそうしたいならね」
「ううん、皆反対しないわね」
実加は姉の言葉を聞いてこうも言った。
「お父さんもお母さんも」
「反対することでもないでしょ」
「進路のことは?」
「別に半グレと付き合うとか北朝鮮に行くとかじゃないでしょ」
「どっちもしないわよ」
妹は口をへの字にさせて述べた。
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