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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第162話:作られた日の出を明けて
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ン……あの方でも流石にそれを黙認するとは思えませんが……まさか――
顔を顰める奏の前で、アルドは顎に手をやり何事かを考えこむ。
一方、響は賢者の石の入手経路以上にそれの何がイグナイトモジュールを打ち破ったのかが気になった。
「でも結局、何でイグナイトが解除されたんだろう?」
「それは、賢者の石の持つ性質です」
首を傾げる響にエルフナインが分かり易く説明する。
賢者の石とは卑金属を金に変える際の触媒であり、人間に不老不死の永遠の命を与える霊薬。つまり、病を始めとする不浄を正し、焼き尽くす作用をもって浄化するのだ。それは即ち、呪いと言う悪しき力を浄化する事も可能と言う事。
「とどのつまりはイグナイトの天敵……、この身を引き裂かんばかりの衝撃は、強制解除によるもの……」
「決戦仕様である筈が、こっちの泣き所になっちまうのかッ!?」
何とも頭の痛い問題である。イグナイトモジュールを制御するのにだってかなりのリスクを負い、困難を乗り越えて手に入れた力だと言うのにそれが逆に弱点となってしまっているのだ。あれだけの苦労が水の泡になったなど、考えるだけで気が滅入る。
憤りを露にするクリスに対し、響は今この場に居ない人物達へと思いを馳せた。
「マリアさんと颯人さん……大丈夫かな?」
***
数時間前…………
突如姿を現したパヴァリア光明結社の統制局長、アダムは手の上に作り出した小さな太陽の様な物を更に強く輝かせた。するとその瞬間彼の衣服が燃え尽きる様に消し飛び、引き締まった裸体が露わとなった。
「何を見せてくれるワケダッ!?」
唐突に男のストリップショーを見せつけられ、プレラーティが忌々し気に口走る。実際それはこの場の全員の気持ちの代弁だっただろう。何が悲しくていきなり見ず知らずの男の裸体などを眺めなければならないのか。アダムが手にする光が逆光となっている為見える部分は限られているのだが、正直に言って目のやり場に困る。
だがそれでも彼女達に彼から目を離すと言う選択肢はなかった。目を離せば最後、次に何が起こるか分からないからだ。
そしてその予想は正しかった。
「金を錬成するんだッ! 決まっているだろう? 錬金術師だからねッ! 僕達はッ!」
そう言ってアダムが光の珠を頭上に掲げると、光は更に強く大きく輝いた。その様は正しく小型の太陽。嘗て魔法少女事変においても、行き場を失った獅子機の魔力の暴走が小型の太陽に例えられた事もあるが今度はその比ではない。
後方で観測していたエルフナインは、アダムの手の中で何が行われているのかを理解した。
「まさかッ! 錬金術を用いて、常温下での核融合をッ!?」
核融合と
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