孤島編 悪魔の鉄人と気高き処女姫 第6話
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なかったお前に何が出来る!? そんな豆鉄砲がこのフォートレスフォームに通用するものかッ!」
だが、基本形態にすら通じなかったスコーピオンの銃弾が、より頑強な外装を得た要塞形態に通用するとは到底思えない。そんなオルバスの懸念を肯定するかのように、アイアンザックも嘲笑の声を上げていた。
「……さぁ、それはどうかしらッ!」
だが。仮面を失ったヘレンは余裕の笑みすら浮かべて、スコーピオンを片手で構えている。そして彼女が引き金を引き、単発で放たれた銃弾が閃くと――その弾丸は、アイアンザックの胸を容赦なく貫いたのだった。
「な、にッ……!? そんな、馬鹿な……!」
「あっ……!?」
予想だにしなかった結果に、アイアンザックもオルバスも仮面の下で瞠目する。彼女はコクピット内に居るアイアンザックの胸を銃撃したのだが――その着弾点は、オルバスがエンジンブレードで装甲を斬り飛ばした箇所だったのだ。
FIFTYΦブレイクによって胴体部のハッチは壊され、その中に居たアイアンザック本人も、エンジンブレードの刃で胸部装甲の一部を破壊されている。つまりその一点だけは、スコーピオンの銃弾でも通じる状態になっていたのだ。ヘレンはそんな極小の弱点を、正確無比な射撃で撃ち抜いて見せたのである。
「……私達を侮ったこと。それがあなたの敗因よ、アイアンザック」
「ぐ、はぁあぁッ……! おっ、のれぇえッ、対策室の雌犬がぁぁあ……! あのまま無様に恥辱を晒し、屈服しておれば良かったものをッ……!」
銃弾を撃ち込まれた胸部から鮮血が噴き上がる。その胸を抑えながら苦悶の声を上げるアイアンザックは操縦を乱し、ミサイルスパルタンの巨躯を大きく揺らめかせていた。その弾みで鉄人の手から解放されたオルバスが、地を転がってその場から離れて行く。
壁に背を預けた巨大な鉄人は、全身から火花を散らしていた。どうやら、アイアンザックの身体を貫通した銃弾が大型外骨格の内側で跳弾し、内部機構の異常を引き起こしていたらしい。どれほど頑強な鎧であっても、内側からの攻撃には耐えられないのだ。
「……許さん、許さんぞ貴様らぁあッ……! こうなれば残る全弾を撃ち尽くし、この島諸共全てを吹き飛ばしてくれるッ!」
「……ッ!? そうはさせるものですかッ!」
だが、このままで終わるアイアンザックとミサイルスパルタンではない。身体中から火花を発しながらも、巨大な鉄人は軋む両腕を前方に翳し、全てのミサイルを一斉に発射しようとしていた。
街を灰にするミサイルスパルタンの全火力が解き放たれれば、オルバスもヘレンも島自体も、火の海の中へと消えて行くことになる。そうはさせじとヘ
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