孤島編 悪魔の鉄人と気高き処女姫 第5話
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をある程度セーブしているようだが、全弾を撃ち尽くす勢いならば都市一つを殲滅出来るほどの火力なのだ。新世代ライダーと言えども、まともに喰らえばひとたまりもない。
「そのために俺達を……新世代ライダーやジャスティアライダーを倒して、自分の成果物こそが『本物』だと言いたいってわけか! こんなやり方で俺達と張り合おうったって、誰もあんたのことなんか認めちゃくれねぇよッ!」
「認めるさ。絶対的な力を目の当たりにすれば、人は否応なしに認めざるを得なくなる。『正義』とは常に、『力』の後に付いて来るものなのだよ。かつての我々がそうだったようにな!」
「だったら……あんたを信じて最期まで付き合った、マルコシアン隊の連中はどうなる!? そいつらは皆、あんたが造ったスパルタンシリーズとやらに命を賭けていたんだろう!? 頭のあんたがこんなことをしていたら、そいつらだって浮かばれねぇよ!」
「この私が奴らの弔い合戦をしている……とでも思ったのか? これは奴らへの復讐でもあるのだよ。腐った政府や軍の上層部だけではない。私のスパルタンシリーズを一つ残らず台無しにした挙句、私の顔に泥を塗り、こんな僻地にまで追いやったのは奴らの失態だ!」
「……!?」
ミサイルスパルタンの周囲を全速力で疾走し、誘導弾や砲撃の猛雨を掻い潜りながら、爆炎を背に疾るオルバス。彼は一縷の望みに賭けて、アイアンザックの良心に訴えようとしていた。だが、彼の身勝手極まりない思考回路はオルバスの想定を大きく超えていたようだ。
「マルコシアン隊が旧シェードに完勝さえしていれば、私のスパルタン計画は大々的に認知され、賞賛され、歴史に記録されていたのだ! だのにスパルタンシリーズを開発した私の功績は抹消され、試験装着者に過ぎなかったマルコシアン隊の下らん自己犠牲ばかりが称賛されている……! ジークフリート・マルコシアン! あの無能な愚図の木偶の坊が私の人生を狂わせたのだッ! 無駄な犬死にで私の名誉を貶めた、奴の部下共も纏めて同罪だァッ!」
「……ッ! あぁハイハイ、そうかよ分かったよ分かった分かりました! あんたの良心にほんのちょっとでも期待した俺がバカだったぜ! いちいち他人のせいにしてなきゃ自我すら保てねぇってんなら、頭冷えるまで失神してろッ!」
アイアンザックの傲慢な物言いに怒りを露わにしながら、オルバスは再びコンテナの影に飛び込む。そこを走り抜けた先からオルバスが飛び出して来ると予測したミサイルスパルタンは、ミサイルポッドの照準をその座標に向けていた。
「ぬッ……!?」
だが、予測通りにコンテナから飛び出して来たのはオルバス本人ではなく――彼が囮として放り捨てていたエンジンブレードだった。
「……俺達を倒すっ
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