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仮面ライダーAP
孤島編 悪魔の鉄人と気高き処女姫 第5話
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力を以て、人類に仇なす存在を根刮ぎ消し去る。
 それが「Inter Continental Ballistic Masked Rider」――「ICBMR」。あるいは「大陸間弾道仮面ライダー」の別名を持つ、ミサイルスパルタン本来の運用方法であった。そのためのブースターサイクロン号を建造する場所として、元々ミサイルサイロとして利用されていたシャドーフォートレス島の施設は、まさに「うってつけ」だったのである。

 すでにミサイルスパルタン本体は完成。後はブースターサイクロン号の開発資金を得れば、同機は全世界に対してスパルタン計画の存在を知らしめることが出来る。
 世界中のどこにでも駆け付け、嵐のように戦い、圧倒的な武力を以てシェードを駆逐する。そんな仮面ライダーGの「一面」だけを完全に再現した悪魔の鉄人が、世界中に牙を剥くことになるのだ。

 ――その計画の全貌を聞かされたオルバスの手が、義憤に震える。ギリギリと握り締められたエンジンブレードの刃先が振動する。「仮面ライダー」という英雄の名に泥を塗る最悪の存在に対し、忠義・ウェルフリットは静かな闘志を燃やしていた。

「……弾道ミサイルのドタマに乗せてブッ飛ばす仮面ライダー、だと……? それでGの再現……? 笑えねぇぜ、全く笑えねぇ……! 『仮面ライダー』って存在を、単純な力でしか測れねえような奴が! 軽々しくその名前を使ってんじゃあないぜッ!」
「今の話がおふざけに聞こえるか? 私は本気だ。私は11年前のあの日、現場の中継を観ていた。日本の放送局前に現れた仮面の戦士が、異形の怪物達を矢継ぎ早に斬り捨てるあの光景を。そして誓ったのだ、必ずあの力をモノにして見せるとな!」

 オルバスの怒号を耳にしたミサイルスパルタンが、ついに彼の位置を捕捉する。単装砲が火を噴くと同時に全身の装甲が展開され、その全てのミサイルポッドから大量の誘導弾(ミサイル)が連射された。乱れ飛ぶ弾頭の嵐が、オルバスに襲い掛かる。

「くッ……! それで造ったのがそのデカブツかよ! どうせ怪人を街ごと全部焼き払うつもりだって言うんなら、そんな回りくどいことしてないで最初から爆薬たっぷりのミサイルでも造っとけ!」
「ただの弾道ミサイルでは改造人間を倒せても、国際社会からの非難は免れん。……何事も物は言いよう。『体裁』が大事なのだよ。仮面ライダーという救世主を、必要とされる場所に送り届ける……という『体裁』がな」
「詭弁を……!」
「それをジャッジする権利などお前には無い。ミサイルスパルタンが詭弁の化身となるか否か……その答えを『検証』するのも我が計画の目的なのだからな」

 オルバスが身を隠していたコンテナは一瞬で消し飛び、そこに居た深紅の騎士は間一髪のところで地を転がって回避する。屋内で戦っている今は「手数」
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