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仮面ライダーAP
孤島編 悪魔の鉄人と気高き処女姫 第5話
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長のジークフリートを除く全ての隊員は戦死。スパルタン計画の試作機も全壊し、上層部を納得させられるだけの成果を挙げられなかった同計画は凍結・抹消となった。そして、この計画に自らの威信を賭けていたアイアンザックも失脚し、シャドーフォートレス島に左遷されてしまったのである。

 それから約10年間、アイアンザックは自分の尽力を否定した全てに対する激しい恨みを募らせながら、落伍者達の「流刑地」であるシャドーフォートレス島の司令官を務め続けていた。ところが1年前、そんな彼の元にノバシェードの研究者達が現れた。彼らは絶海の孤島で燻っていたアイアンザックに、スパルタン計画の「再生」を持ち掛けて来たのである。
 「圧倒的な暴力」が大金になる商売は、この世界の何処にでも在る。その「商い」で巨額の資金を蓄えていた死の商人達(ノバシェード)ならば、アイアンザックのスパルタン計画を蘇らせることも容易だったのだ。

 スパルタン計画が「無かったこと」にされ、仮面ライダーとして認められることもなく消え去ってから10年が過ぎた頃。番場惣太の主導により、世に出ることになった新世代ライダー達。一光博士によってロールアウトされた、ジャスティアライダー達。彼らの華々しい活躍を報じるニュースの数々は、アイアンザックの尊厳をこれ以上ないほどにまで傷付けていた。

 ――本来なら、世間からヒーローと称賛されていたのは、私のスパルタンシリーズであるはずだったのだ。なぜあんな、10年も後から出て来た連中が認められて、私の計画が認められないのだ。

 そんな鬱屈とした思いを抱えて来たアイアンザックにとっては、ノバシェードの提案こそが最後の希望だったのである。彼らへの全面的な協力を条件に資金援助を受け、密かにスパルタン計画を再始動させたアイアンザック。彼は自分を認めなかった全ての人間達に対する報復として、かつて机上の空論(ペーパープラン)のままで終わっていた「悪魔の兵器(ミサイルスパルタン)」の建造に着手していた。

 かつては予算不足という理由から、開発に漕ぎ着けることすら叶わなかった幻のスパルタン。それが二重外骨格という特性を持つミサイルスパルタンだったのだが――この兵器の真価は、それだけではなかった。
 過剰なまでの防御性能を追求した理由は、ただ敵の攻撃に耐えるためだけではなく、「遥か上空からの降下」に適応するためでもあった。このミサイルスパルタンは、敵地の頭上(・・・・・)からのミサイル弾幕で攻撃対象を焦土にするための兵器なのである。

 弾頭部にミサイルスパルタンを搭載して目的地に射出する、大型ロケット「ブースターサイクロン号」。その推進力を借りて世界各地の都市へと迅速に降下し、対改造人間用ミサイルによる絨毯爆撃で全てを灰にする。大都市一つを殲滅し得るその絶対的火
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