孤島編 悪魔の鉄人と気高き処女姫 第3話
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であるジークフリート・マルコシアン大佐を除く部隊の全滅。その責任を問われた彼も、ここに「島流し」にされていたのである。
アイアンザック自身は改造被験者ではないのだが、ノバシェードに与するには十分過ぎる恨みを抱えていたのだろう。祖国のために尽力した結果がこの仕打ちとあらば、世界を恨むのも当然と言える。近しい境遇を抱えてこの島に来た部下達に感化され、ノバシェードに参加することも、彼なりには必然だったのかも知れない。
「……その通りだ。奴らの資金援助で、私はあの計画を復活させるための足掛かりを得た。そして私の計画は、奴らにとっての絶大な戦力となる。良きビジネスパートナーなのだよ、奴らは」
「あの計画……!?」
何らかの「含み」を持たせた台詞を吐き、ヘレンを困惑させるアイアンザック。彼が銅色の鉄仮面を被り、マスク上部と顎部装甲を手動でガシャンと閉鎖した瞬間、大きく丸い二つの複眼が赤く発光する。
「……!? その姿は……!」
頭部から伸びる2本のアンテナに、丸い複眼状のツインアイ。そして、バッタの口元を想起させる顎部装甲。
全体的な印象こそ、荘厳かつ禍々しい怪人のそれであったが――鉄仮面のデザインはまさしく、「仮面ライダー」を想起させるものとなっていた。
(「SPR-30」……? 型式番号のようだけれど、一体何の……?)
その異様な外骨格の外観に、ヘレンは仮面の下で瞠目する。胸部装甲に記載された「SPR-30」という型式番号も気掛かりだ。
どことなく仮面ライダーGを彷彿とさせる顔付きでありつつも、全身に打ち付けられたリベットや直線的な各部のラインからは、「無理矢理似せて造られた偽物」という印象を受ける。腰部のベルトはエネルギータンクの役割を担っているのか、時折怪しげな電光を放っていた。
「お前が何かを知る必要はない。お前が知るべきなのは……ここで死ぬという己の運命、ただそれのみだ」
だが、アイアンザックはその詳細を語ろうとはしない。彼がヘレンの抹殺を宣言する瞬間、その腰部のベルトから蒼い電光が迸る。
彼が纏う白銀の外骨格が、「戦闘体勢」に移行したのだ。最大限の勢いで稼働し始めたベルト型のエネルギータンクが、猛烈な電光を放っていた。
その凄まじい放電が、ベルトのバックル部分から弾け飛んだ直後――激しい電撃によって着火された黒マントが瞬く間に炎に包まれ、アイアンザックの外骨格を容赦なく飲み込んで行く。だが、その重厚な鎧は猛火に包まれてもなお、白銀の輝きを保ち続けていた。
「闖入者よ……このシャドーフォートレス島の土となるが良い」
「うっ……!」
やがて彼は、己を覆っていた陽炎を突き破るように歩み出して来る。ズシ
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