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おぢばにおかえり
第七十五話 天下茶屋その二十一

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 私はお家に上げてもらいました、お家の中は静かな感じです。
 その一階のリビング、古い昭和の感じのそこに入るとでした。
 新一君は椅子を引いて私に言ってくれました。
「どうぞ」
「あっ、有り難う」
 新一君の意外な一面でした、椅子を引いて座らせてくれるなんてかなりの紳士だと思いました。そう思いながらです。
 私は座ってです、それから自分も座った新一君に向かい側に座っているこの子の大叔母さんお二人を紹介されました。
「阿波野静江、阿波野藤乃といいます」
「お二人共新一君の大叔母さんなのね」
「お祖父ちゃんのお兄さん達なんです」
「新一は子供の頃から優しくしてくれてんねんで」
 藤乃さんと言われた痩せたお顔の人がにこりとして言ってくれました。
「私はポポちゃんって言われてるねん」
「ポポちゃんですか」
「おちゃんがそう呼んでくれてん」
「それで静江大叔母さんがおばちゃんなんですよ」
 新一君は丸いお顔の静江さんを見てお話してくれました。
「うちじゃ皆そう呼んでます」
「そうなのね」
「大きいおばちゃん、小さいおばちゃんともです」 
 そうもというのです。
「呼んでます」
「二つあるの」
「はい、それで二人共僕を子供の頃から可愛がってくれてるんです」
「それ言うたら私等やで」
 静江さんが言ってくれました。
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