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仮面ライダーカブト 明日のその先へ
第二十六章
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「また美味くなったな」
 相川が了に声をかけていた。
「ここに来て」
「そやろ。俺は天才や」
 不敵な笑みを浮かべて相川に返してきた。
「たこ焼きにかけてはな」
「了のたった一つの取り柄やしな」
「アホ、鯛焼きもいけるわい」
 了はすぐに反論してきた。
「何言うとるんじゃ」
「全く。女癖も悪いし」
 未知は不平を露わにしてきた。口を尖らせて了に対して言うのだった。
「軽薄だし」
「始さんのドッペルゲンガーでも偽者でもないわね」
「ああ、絶対にな」
 三輪と禍木はその会話からそれを察した。
「偽者ならもっと上手く化けるしな」
「やっぱり別人よね」
「何か俺初対面の兄ちゃんと姉ちゃんにボロクソ言われてるな」
「まあまあ」
 そんな彼を志村が宥める。
「たこ焼きも鯛焼きも美味しいですよ」
「しかしあれやな。久し振りに会ったけど」
「何だ?」
 相川が彼に顔を向ける。了も相川の顔を見ていた。
「あんた最近どんどん表情が豊かになっとるな」
「そうか」
「そうや。雰囲気が明るくなっとるで」
「俺はそうは思わないが」
「いや、確かにそうですよ」
 上城が彼にこう言ってきた。鯛焼きを五個程くるんでもらっている。それを栞に突っ込まれた。
「それ望美ちゃんになのね」
「あっ、はい」
 相川に言う前に彼女に答える。
「凄く美味しいから。たこ焼きも一緒にと思ってます」
「いいわね。気がつく男の子はもてるわ」
「そうなんですか」
「そうなのか、剣崎」
 橘は栞の今の言葉に怪訝な顔を剣崎に向けて問うた。彼は熱いたこ焼きに味噌をつけて頬張っている。熱いたこ焼きも一度に何個も食べている。
「いえ、初耳ですけれど」
 剣崎は剣崎で鯛焼きを食べている。彼もまたかなり頬張っている。
「そうなんですか」
「俺は聞いたことがない」
「俺もです」
 二人はそうしたこととは相変わらず無縁であった。とりわけ剣崎にそんなことがわかるかと言えばやはりわからないのである。だから今も彼女がいないのであった。
「何が何なのかな」
「そんなの気兼ねしなくていいですよね」
「あの二人は別だよ」
 虎太郎が上城に囁く。
「だからああなんだから」
「わかりました」
 それに応えたうえで上城は相川に再び顔を向けてきた。そうして彼にまた言うのであった。
「始さんどんどん感じが穏やかになってますよ」
「そうか」
「特に天音ちゃんと一緒にいる時にね」
 それを述べてきた。確かに彼がジョーカーから相川始になったのには天音の存在が非常に大きかった。そして今も相川と彼女の絆は非常に強いものがある。
「穏やかな顔になってますよ」
「ワームとの戦いがあったが」
「それでも前とは随分違っていたな」
 橘がそれを指摘してきた。鯛
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