第百八話 残暑が終わりその一
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第百八話 残暑が終わり
二学期に入ってもまだ暑かった、だが咲はクラスでクラスメイトの一人に眉を曇らせてこう言われた。
「今日夕方雨だって」
「夕立なの」
「それもかなりね」
「降るの」
「そうみたいよ」
こう言われたのだった。
「さっきスマホで天気予報見たらね」
「夕方雨って出てたの」
「それも大雨だって」
「そうなのね」
「いや、大雨ってだけでね」
クラスメイトは嘆息して言った。
「嫌よ」
「その時間外にいないか折り畳みでも傘あればいいでしょ」
「咲っち折り畳み持ってるわよね」
「いつもね」
鞄の中にとだ、咲は答えた。
「入れてるわよ」
「今もよね」
「ええ、チェックしてるわ」
「私も持ってるけれどね」
「じゃあいいでしょ」
「だから大雨ってだけで嫌で」
「あんた大雨嫌いなの」
「足まで濡れるからね」
大雨ならというのだ。
「アスファルトに雨水が跳ね返ったり風でね」
「ああ、傘さしてない部分に雨がきて」
「足が濡れたりするから」
それでというのだ。
「嫌なのよ」
「そうなのね」
「ズボンでもスカートでもね」
「どっちでも濡れるから」
「特に今はね」
咲にさらに言った。
「靴で短いソックスで」
「ああ、素足ね」
「それが濡れるからね」
「余計に嫌なのね」
「そうなの、本当にね」
口をへの字にさせて言うのだった。
「夕方部活だけれど」
「帰る時に雨降りそうなら」
「学校に残ってね」
そうしてというのだ。
「やり過ごしたいわ」
「そうなのね」
「私陶芸部だけれど」
クラスメイトは自分が所属している部活の話もした。
「造って焼いていないとね」
「結構早く終わるのね」
「そうした部活なのよ」
「そうなの」
「それで夏休みの最後に焼いて」
部活でというのだ。
「今はね」
「焼いてないのね」
「造ってもないわ、あと少ししたら文化祭用にね」
それでというのだ。
「焼くけれど」
「それでもなの」
「今はね」
「だから時間あるのよ」
「それで帰るのも早くて」
「雨に遭いたくないわ」
「あれよね」
ここまで聞いてだ、咲はこう言った。
「いたい時間いたくない時間ってあって」
「そう、自分が帰る時間に降ってない」
「この場合はそれでいいってことね」
「要するにね」
クラスメイトは同級生に話した。
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