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博士の挑戦状
第五十九話

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                第五十九話  カーミラも来た
 気球が来た、そしてそこからだった。
 カーミラが降り立ってだ、こう言って来た。
「待ったかしら」
「いやいや、全くじゃ」
 博士はカーミラに笑って応えた。
「気にすることはない」
「それならいいけれど」
「それで貴殿とはな」
 博士はカーミラに言った。
「次じゃ」
「まずはなのね」
「先生達とじゃ」
 その今田先生と今日子先生も見て話した。
「勝負じゃ」
「わかったわ、ではそれまではね」
 自分の勝負まではとだ、カーミラは応えた。
「待っているわ」
「そうしてくれるか」
「読書をしてね」 
 そしいてというのだ。
「お酒も飲んでね」
「待っていてくれるか」
「そうさせてもらうわ」
「それではのう」
「あの」 
 小田切君がカーミラに話した。
「読書にお酒とは」
「そちらを楽しみながら飲むことはなのね」
「決闘を前にしては」
 それならというのだ。
「随分とです」
「優雅だというのね」
「はい、貴族的ですね」
「だって私貴族よ」
 それでとだ、カーミラは小田切君に答えた。
「だからね」
「それでなんですか」
「もうね」
「貴族的にですか」
「ゆっくり休んでね」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「待たれますか」
「そうするわ、ただ待つよりも」
 それよりもというのだ。
「そうして待たせてもらうわ」
「それじゃあですね」
「ええ、ここにいるわね」
 こう言ってだった。
 カーミラは使い魔達に出させた本とワインを本をテーブルに座って楽しみだした、そうして自分の番を待つのだった。


第五十九話   完


                   2023・5・6
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