第九幕その二
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「ここは」
「だからじゃ」
「秀吉さんに提案してみるんだ」
「そうしようか」
「いいと思うよ」
「ではな、しかしな」
魔法使いはこうも言いました。
「一つ思うことはな」
「何かな」
「うむ、秀吉さんがどう言うかじゃ」
このことがというのです。
「問題じゃが」
「あの人が何処で開きたいか」
「そうじゃ、それ次第じゃな」
「そう言えばーーです」
チクタクが言ってきました。
「秀吉さんのーーお花見のーー場所ーーは」
「何処だったかね」
「この街全体で楽しんでおられるみたいだけれど」
「外の世界では何処で楽しまれたか」
「そのことを知りたいんだね」
「チクタクとしては」
「そうーーです」
チクタクはナターシャ達五人に答えました。
「何処ーーでしたーーか」
「ええと、何処だったかしら」
「ちょっと知らないね」
「お花見は好きだっていうことは知っているけれど」
「それが何処か」
「問題はね」
「少し聞いてみよう」
ここでリンキティンク王が言ってきました。
「誰かにな」
「そうですね、誰か知っている人に」
「是非聞きましょう」
「こうしたことは知識ですから」
「知識だとムシノスケ教授ですか」
「あの人になりますか」
「そうじゃな、では少し聞こう」
リンキティンク王も応えてでした。
自分のスマートフォンを出してムシノスケ教授に電話をかけてそのうえで聞きました、すると教授はこう答えました。
「一番有名なのは醍醐寺でかな」
「そのお寺で開いたのか」
「日本の京都にあるね」
教授は自分のスマートフォンから答えます。
「そこでだよ」
「開いたのか」
「秀吉さんが外の世界を去る少し前に」
その頃にというのです。
「大々的に開いたんだ」
「そうだったのか」
「七百本の桜を用意して」
そうしてというのです。
「千三百人もの人を呼んでね」
「開いたのか」
「そうだよ、醍醐の花見と呼ぶんだ」
そのお花見はというのです。
「秀吉さんのお話の一つだよ」
「成程のう、そうしたお花見をしたのじゃな」
リンキティンク王は納得しました。
「よくわかった」
「知ってくれて何よりだよ」
「うむ、ではな」
「これからだね」
「秀吉さんと話をしてな」
そうしてというのです。
「その醍醐の花見よりもじゃ」
「大きなお花見をだね」
「この公園でじゃ」
今自分達がいる鶴見公園でというのです。
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