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第二十六話 決断その十六

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 小鳥は犬鬼を見てだ、こんなことを言った。
「その子は。さっきから気になっていたけれど」
「犬鬼見えるんですね」
「ええ、見えるわ」
 その通りという返事だった。
「それがどうかしたの?」
「見えるなら嬉しいです、犬鬼って見えない人が多くて」
「そうなの」
「そうした力がないと」
 これまでのことを思い出して一瞬だが悲しい顔になってであった、護刃は小鳥に対して言うのだった。
「中々です」
「私はずっと見えていたけれど」
「人によるんです」
「そうだったのね」
「ですが見えるなら嬉しいです」
 小鳥にしてもというのだ。
「ですからこれから犬鬼も宜しくお願いします」
「それじゃあ」
「それで皆で飲んで食べましょう」
「少し待っていてね」
 火煉も小鳥に優しい声をかけた。
「今から手分けして作るから」
「火煉さんもですか」
「私もお料理出来るのよ」
 小鳥に自分から話した。
「だからね」
「それで、ですか」
「楽しみにしていてね」
「わかりました」
「僕も一人暮らしだからね」 
 昴流も言ってきた。
「これでも何かと作ってきているよ」
「昴流さんもですか」
「うん、だからね」 
 それでというのだ。
「楽しみにしておいてね、そうだね」
「そうっていいますと」
「二人でゆっくりしたらどうかな」
 昴流は神威を見て小鳥に話した。
「今は」
「神威ちゃんとですか」
「彼は君を護ると言ったから」
 そう約束したからというのだ。
「どうかな」
「そうしていいのか、俺もだ」
 神威は昴流のその顔を見て言った。
「何か出来ることがあれば」
「貴方も休んでいて」
 その神威に嵐が言ってきた。
「今はね」
「小鳥と一緒にか」
「休んでいて」
「この部屋でか」
「そうしていて」
 こう言ったのだった。
「いいわね」
「俺もなのか」
「あれだけのことがあったのですから」
 征一狼も神威に言ってきた。
「ですから」
「今は二人でか」
「休んでいて」
「パーティーの時間になるとか」
「お呼びしますので」
 そうするからだというのだ。
「待っていて下さい」
「そこまで言うのならな」
 神威もここで頷いて言った。
「そうさせてもらう」
「それでは」
「小鳥、少し二人でいよう」
 今度は小鳥に顔を向けて微笑んで話した。
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