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第二十六話 決断その十四

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「地の龍の一人だ」
「そうですか」
「それでな」
 さらに言うのだった。
「見たところ酷いことにはならなかったな」
「はい、彼は殺しませんでした」
 遊人が封真を見つつ草薙に話した。
「ご自身を保って」
「そうか、どうなるかと思ったが」
「運命は変わったみたいですね」
「まさか本当に運命が変わるなんてな」
 草薙は真顔で述べた。
「俺もな」
「思いませんでしたか」
「無理だと思っていた、けれどそれならいい」
 草薙は手振りも交えてほっとした顔で述べた。
「やっぱり死なないに越したことはないな」
「同感ですね、それでなのですが」
「ああ、一緒になったしな」
「僕達の居場所に来てくれますか」
 遊人が申し出た。
「これから。彼も一緒ですし」
「その兄ちゃんもだな」
 草薙も封真を見て言った。
「そうだな」
「左様です」
「わかった、じゃあな」
「これからですね」
「案内してくれ」
「そうさせて頂きます」
「宜しくな」
 草薙は自分から地の龍達の中に入った、そうしてだった。
 一行は彼等の場所に向かった、その雰囲気は穏やかなものだった。
 地の龍の者達が去ると天の龍の者達は元の洋館小鳥がいた部屋の中にいた、見れば神威は今も小鳥を抱いている。
 その中でだ、小鳥は言った。
「あの、神威ちゃん」
「どうした」
「私もう大丈夫だから」
 こう言うのだった。
「下ろして」
「そうか」
 神威も言われて気付いた。
「もうな」
「うん、立てるしね」
「じゃあ下ろすな」
「そうしてね」
「それならな」
 神威も頷いてだった。
 そのうえで小鳥を下ろした、そのうえで。
 小鳥にだ、彼はあらためて言った。
「封真のことだが」
「大丈夫よ、まさか生きられるとは思っていなかったけれど」
 それでもというのだ。
「お兄ちゃんはお兄ちゃんのままだから」
「そうだな、封真は封真だ」
「だからね」
「安心していいな、だがこれからな」
 神威はそれでもと言った。
「俺達はな」
「地の龍の人達と、っていうのね」
「戦うことになる」
「それでも大丈夫よ」
 小鳥はこのことについても話した。
「安心してね」
「どういうことだ」
「地の龍の人達も悪い人達じゃないし」
 牙暁と話したことから言った。
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