第二章
[8]前話
「目の色でわかるの」
「目の色って」
「そんなので」
「アジア系って目の色同じですよ」
「鳶色ですよ」
「それが違うのよ」
好美は笑って述べた。
「これがね」
「そうなんですか」
「同じかと思っていたら」
「違うんですね」
「私達も」
「久美子ちゃんの目の色は濃いのよ」
彼女の目から話した。
「それで真美子ちゃんの目は少し薄いのよ」
「そうなんですね」
「同じ鳶色と思ったわ」
「久美子ちゃんの目は叔父さんのもので」
双子の父のというのだ。
「真美子ちゃんはお母さんよ」
「そうだったんですね」
「全然気付きませんでした」
「日本の女優さんでこんな人いるわよ」
従姉は双子にこんな話もした。
「目の色が上と下で違う人がね」
「日本人で、ですか」
「そうなんですか」
「白人で左右の目の色が違う人はいるわね」
オッドアイのというのだ。
「けれどこうした目の色の違いもあって」
「アジア系でもですか」
「目の色が違うんですね」
「物凄くよく見ないとわからないけれど」
それでもというのだ。
「そうしたこともあるから」
「ううん、正直驚きました」
「それで見分けられるなんて」
「本当にです」
「わかりませんでした」
「けれど私はわかるから」
好美は自分はと笑顔で話した。
「これからも宜しくね」
「わかりました」
「そういうことで」
双子で湯舟の中で応えた、そうしてだった。
二人でお風呂から出た後実際に鏡でそれぞれの目をチェックするとだった。
「言われてみればね」
「目の色違うわね」
「そうよね」
「これで見分けつくなんて」
「正直驚いたわ」
「本当にね」
こう話すのだった、そしてそれからはこのことに気付かせてくれて見分けがついていた従姉を愛情だけでなく敬意も抱く様になった。自分達をそこまでわかっている彼女を。すると従姉も何かと教えてくれて三人で人生をこれといって間違えることなく仲良く暮らしていくことが出来た。従姉がいい人だったので。
目の色でわかる 完
2023・7・22
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