異色
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そうだけど、骨をくっ付けるなんてそんな早くできるわけが・・・いや、それすらもあの人たちならやりかねないか。
「あたしたちこっちだから」
「そうか。頑張れよ、次の試合」
「はい」
「ありがとね」
待機場所が別々なこともありここでエルザさんたちとは別れる。そのまま待機場所へ向かう俺たちは口数が少なくなっていた。
「く・・・空気が重たい・・・」
「仕方ないよ」
ピリついた雰囲気に耐えきれずウェンディにそんなことを話しかけるが、彼女も同じように考えていたようではあり、小声で返してくれる。
「あの人たちと明日以降も戦う可能性があると考えると、ちょっと怖いよね」
「う〜ん・・・」
二人の攻撃力の高さによりカウンターが倍返しになってしまったことも要因の一つではあると思うけど、あれだけの力を持っている人間が複数いるとなるとその気持ちもわからないでもない。
(でも確かに・・・あいつと真っ向から戦うのは・・・ん?)
正直俺でも戦いたくないと思ってしまうところもあるけど、突然ある名案が脳裏に浮かぶ。
「ふっふっふっ」
「え?シリル?」
完璧な作戦を思い付いたことで笑っていた俺だったけど、その笑いが突然だったこともあり前を歩いていた皆さんも足を止めてこちらを見ている。でも、全員の視線が向いているならそれはまた都合がいい。
「明日以降狩猟豹の頭と戦う機会があったら、俺が行かせてもらいます」
そう宣言した俺を見て彼女たちは顔を見合わせる。それは困惑に近いものに俺の目からも見えた。
「大丈夫ですか?シリル」
「はい。秘策を思い付いたので」
「秘策?」
その秘策の内容は伝えることはできないが、自信ありげな俺の表情を見てみんなも理解してくれたらしく、顔を見合わせて頷いていた。
「わかったわ」
「期待してるよ」
「まぁ、当たらないのが一番良さそうだけどね」
「さらっと言いますね」
そのおかげかはわからないけどさっきまでの暗い雰囲気が和らいだような気がする。俺たちはまだ試合も残しているし、重苦しい雰囲気のまま試合に望むのは良くなかったのでこれはよかっただろう。
「あとはうまくあいつらとやれれば・・・ん?」
待機場所に戻ってきた俺たちは闘技場の方へと視線を落とす。そこでは第三試合であるはずの青い天馬と四つ首の猟犬の試合が行われていたのだが・・・
「あれ?ラミアとセイバーの試合は?」
第二試合は蛇姫の鱗と剣咬の虎の試合だったはず。しかし、それとは異なる試合が行われていることに困惑しながら魔水晶ビジョンへと視線を向けると、どうやらすでに試合が決
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