第一章
[2]次話
欧州恐怖の電気代
電気代が高い、主婦の中井美沙は家でサラリーマンの夫の武明に夕食の時にぼやいていた、茶色にした髪の毛を茶色にして伸ばしている。細面で吊り目で唇と眉は細い。一六〇程の背でシャツにジーンズという格好に八八ある胸とすらりと伸びた足が似合っている。
「電気代凄いのよね」
「こんなご時世だからな」
夫も暗い顔で応えた。黒髪をショートにしていて穏やかな細面であり眉は太めだ。背は一七一位ですらりとしている。
「困るよな」
「何十パーセント値上げとかね」
「どうにかならないのかな」
「それあんたも思うわよね」
「思わない筈ないだろ」
夫は妻におかずの鮭の塩焼きを食べつつ応えた。
「仕事行っててもな」
「私もパート出てその後でお買いものしてもね」
「何かと感じて見るからな」
「そうよね」
「正直な」
「電気代も上がってること感じるわね」
「戦争のせいでな」
全てはここにある、夫は言った。
「それでな」
「そうなのよね、それでね」
「家計苦しいか」
「ええ」
妻は憮然として答えた。
「だから悪いけれど節約もね」
「わかってるよ、こんなご時世だとな」
「仕方ないわ」
「戦争だからな」
「終わって欲しいわ」
こうした話をだ、夫婦で夕食を食べつつ話したが。
それぞれ入浴してから夫婦は憩いの時間を過ごしていた、そんな中で夫はスマートフォンのネットサーフィン妻は家のテレビでゲームに興じていたが。
「なっ、嘘だろ!?」
「何よ、巨人が二十点差で負けたの?ざま見ろね」
「いや、二十五点差で負けたよ」
「もっとざま見ろね」
「そんなことじゃない、欧州酷いぞ」
夫はゲーム画面を見ている妻に言った。
「電気代倍だぞ、倍」
「倍!?」
妻もそう言われて仰天した。
「何十パーセントとかじゃなくて」
「百パーセントだよ」
「それ無茶苦茶でしょ」
妻の声は仰天したもののままだった。
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