第二章
[8]前話
女子大生五人での旅行は旅館の宿泊代や食費もワリカンで出してそのうえでガソリン代も出し合うことにした。
そうして一緒に楽しむことになったが。
車で行きたい場所に行って名所を巡って旅館に入って温泉を楽しんで夕食を五人で囲んだがこの時だった。
澄子はあらためて四人に言った、五人共今は旅館の浴衣姿である。
「いや、本当にね」
「ガソリン代高いわね」
「馬鹿にならないわね」
「若し一人で支払うと」
「無視出来ない出費よね」
保奈も古奈美も弘子も百合も言った、五人共どうかという顔になっている。
「これだけでもね」
「電車代と全然違うわね」
「その電車代も高くなってるけれど」
「ガソリンはそれ以上よね」
「いや、戦争でこうなるなら」
澄子は困り切った顔で述べた。
「もうね」
「終わって欲しいわね」
「今すぐにでもね」
「正直困るわ」
「ガソリン代高いと」
「そうよね、戦争になったら」
今の様にというのだ。
「こうなるのね」
「そうね」
「嫌になる位わかるわね」
「他にも厄介なこと多いし」
「戦争が起こると大変ね」
「本当にね、早く平和になって欲しいわ」
澄子はこの言葉を心から出した。
「さもないと大変よ」
「全くよね」
「何から何まで高くなってるし」
「正直辛いわ」
「大変なことこの上ないわ」
五人でぼやいた、夕食を食べつつ。そして旅行の間常にガソリン代のことも意識して。
旅行が終わって五人が今いる街に戻ってもだ、彼女達はこう言い合った。
「楽しかったけれどね」
「ガソリン代高くてね」
「それが嫌だったわね」
「そのことが気になったわね」
「完全には楽しめなかったわね」
五人でこう言い合った、そしてあらためて戦争は早く終わって欲しいと心から思うのだった。どうにも晴れない気持ちのまま。
ガソリン代が高いと 完
2023・7・21
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