第一章
[2]次話
ガソリン代が高いと
女子大生五人で車で旅行に出ようという話になったが。
原田澄子黒のショートヘアで丸顔で優しい顔立ちの彼女は困った顔になって言った。
「問題はガソリン代ね」
「そうなの?」
五人いる、そのうちの一人黒のロングヘアで吊り目で長身の乙女保奈が応えた。
「何かあるの?」
「あれでしょ、あの戦争のせいでね」
高橋古奈美がこう言った、小柄で黒髪をツインテールにしている童顔の娘だ。
「今高いんでしょ」
「電気代とかも高いしね、今」
今度は上原弘子が言ってきた、胸が大きく茶色の髪をセットにした垂れ目の外見だ。
「ガソリン代もでしょ」
「こんなご時世だからね」
最後の一人熊田百合も言った、頭にリボンがある優しい顔立ちのお嬢様然とした外見だ。
「高いんでしょ」
「そう、高いから」
澄子は四人にまさにという顔で答えた。
「だからね」
「それが問題なのね」
「今回の旅行車で行くし」
「運転は私達が順番でするけれど」
「問題はね」
「旅館は安かったし食べものもね」
澄子はぼやく様にして言った。
「格安でいけるけれど」
「ガソリン代ね」
「これが問題ね」
「今高いから」
「それをどうするか」
「そうよ」
まさにというのだ。
「これね」
「ワリカンでいく?」
「それしかないわよね」
「旅館もご飯もそうするし」
「それじゃあね」
四人は澄子の話を聞いてそれぞれ言った。
「幾ら高くてもね」
「今回の旅行車で行くし」
「ガソリン代は絶対に必要だし」
「それじゃあね」
「それしかないわね、じゃあこっちもワリカンでね」
お金を出し合おうとだ、澄子も言った。こうしてだった。
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