第二章
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詩音は琴音との交流をはじめ彼女と親しくなっていった、琴音の優しく明るく人懐っこい分け隔てしない性格そして詩音もそうした性格であるので。
二人は相性もよくすぐに仲良くなった、そしてだった。
詩音は琴音から何かと織田のことを聞いた、そうして彼の好みに合った服装を着たり彼女が好きなものを食べて彼にも勧めたりして。
彼の趣味にあった話題をしてだった、彼との距離を縮み。
すっかり仲良くなり自然とカップルになった、それでだった。
ある日だた。詩音は琴音と一緒にいる時に満面の笑顔で言った。
「よかったわ」
「よかったって何がですか?」
「琴音ちゃんとお友達になってね」
そうなってというのだ。
「本当にね」
「よかったんですか」
「ええ、お陰でね」
のろけきった満面の笑顔のまま言うのだった。
「幸平さんと交際出来て」
「あの、まさか」
詩音のその言葉を聞いてだった。
琴音は若しやという顔になってだ、詩音に問うた。
「私とお友達になったのは」
「あっ」
「ひょっとして」
「しまったわ」
ここでだ、詩音は気付いた。そして。
次の瞬間にはだ、極めてバツが悪そうに言った。
「何というかね」
「そうですか」
「素直に言うしかないから」
琴音の顔を見れば気付いているものなのでこう返した。
「こうなったら」
「それじゃあ」
「そうよ」
観念した顔と声で答えた。
「私実はあの時ね」
「お兄ちゃんを狙っていて」
「その為によ」
まさにというのだ。
「琴音ちゃんに近付いたのよ」
「やっぱりそうですか」
「将を射るならっていうでしょ」
「それで私とお友達になって」
「色々聞いたの」
「あと実はです」
琴音はここでこうも言った。
「私お兄ちゃんに詩音さんのこと色々です」
「言ってたの」
「いいことを」
「お友達だから」
「そのこともよかったと思います。けれど」
それでもとだ、詩音にどうかという顔で言うのだった。
「あの、私とお友達になった理由は」
「駄目かしら」
「どうかってです」
その様にというのだ。
「今思ってます」
「まあそれはね」
「はい、よくないと思います」
詩音に咎める顔と声で言った。
「打算的で」
「そうよね、けれどね」
「どうしてもですか」
「幸平さんとね」
「そうですか、けれど」
ここでだ、琴音は。
考える顔になってだ、詩音に言った。
「私も詩音さんと同じ立場なら」
「それならなの」
「そうしていたかも知れません」
こう言うのだった。
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