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ハウステンボスのホテルは
第一章

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               ハウステンボスのホテルは
 東京に住んでいる前田陽子はサラリーマンの夫の悟の提案で夏の休暇の時に九州に旅行に行くことになったが。
「ハウステンボスに行くのね」
「そうしよう」
 卵型で黒髪をショートにしている大きな目と小さな唇の夫は微笑んで言った、背は一七〇位ですらりとしている。
「九州でもね」
「長崎よね」
 妻は夫の言葉を聞いて言った、面長の顔で小さな丸い目と大きな薄い唇の口を持っている。黒い波立つ髪の毛を長く伸ばしている。背は一五五位で痩せている。
「ハウステンボスって」
「佐世保よ」
「自衛隊の基地もあるし」
「海自さんのね」
「いいわね」
 何気に自衛隊に格好よさが子供のころから好きな陽子はここでほぼ決まった。
「それじゃあね」
「ハウステンボスだね」
「行きましょう」
「それじゃあね」
 こうしてだった。
 娘の愛未父親の顔立ちと母親の髪の毛を持つ幼稚園児の彼女と三人でハウステンボスに行くことにした、そして。
 東京から飛行機も使って行くとだった。
「うわ、ここは」
「凄いわね」
 夫婦はハウステンボスの中に入った瞬間に思わず息を呑んだ。
「日本じゃないみたい」
「西欧の街並みだね」
「それを再現したっていうけれど」
「凄いよ」
「そうね、じゃあね」
「まずはホテルに行こう」
 一家が泊まるホテルにだ、こう言ってだった。
 一家でホテルに向かった、すると。
「うわ、もうこれこそ」
「高級ホテルね」
「ロビーからして違うよ」
「ヨーロッパの一流ホテルみたいよ」
 みらびやかなロビーの中でまた息を呑んだのだった。
「凄いよ」
「これまでもホテルに泊まってきたけれど」
「ここは違うね」
「そうね」
 夫婦でロビーの中で話した、そして。
 部屋に入るとホテルの普通の部屋の筈なのに。
「お父さんお母さんここに泊まっていいの?」
「いいんだよ」
「ちゃんとお金払ってるわ」
 夫婦は部屋の中でその立派さに呆然となっている娘に答えた。
「だから安心してね」
「ちゃんといられるからね」
「後で借金とかはな」
「ないよ」
「本当に心配無用よ」
 夫婦で豪華過ぎてかえって心配になる娘に話した、そしてだった。
 一家はハウステンボスの中を巡りこの場所自体を満喫した、そうしてホテルに戻ると夕食を楽しんだが。
「キャビアにフォアグラにトリュフ」
「全部使ってるなんて」
「夢みたいだな」
「凄く美味しいわ」
「全くだよ」
「こんなもの食べられるなんてね」
「私こんな美味しいもの食べたのはじめてよ」
 夫婦だけでなく娘も言って来た。
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