暁 〜小説投稿サイト〜
八条学園騒動記
第七百八話 連合の狼その六

[8]前話 [2]次話
「これはニホンオオカミだ」
「文字通り日本の狼ですか」
「地球では日本列島に棲息しており他の星では限られた温帯の山岳地帯に棲息している」
「そうした狼ですか」
「森の中にな」 
 大尉はこうも言った。
「山は山でもな」
「木々に覆われた」
「そうした山に棲息している」
「かなり特殊な狼ですか」
「それで小型だ」
「そういえば狼にしては小さいですね」 
 上等兵もその狼ニホンオオカミを見て言った。
「それに外見も少しです」
「普通の狼と違う感じがするな」
「何処か」
「狼は狼でもな」
「独特の狼ですか」
「そうした種類でな」
 それでというのだ。
「調べていくとな」
「面白いのですか」
「そう友人の生物学者が話している」
「そうですか」
「尚この狼はエウロパにも棲息している」 
 自分達の国にもというのだ。
「やはり限られただ」
「山の中にですか」
「森のな」
「温帯のですね」
「そうした珍しい狼でな」
 それでというのだ。
「研究が行われている」
「そうですか。私は生物学のことはです」
「詳しくないか」
「申し訳ないですが」
「謝ることではない」
 大尉はそれはいいとした。
「別にな」
「そうですか」
「知らなかったことは知ればいい」
「それで済むことですか」
「大事なのは知ろうとすることでな」
 その行動でというのだ。
「今君は知った、だからな」
「それでいいですか」
「後は自分から進んでだ」
「知ることですね」
「そうすべきだ」
「わかりました」
「それでこの狼はな」
 あらためてニホンオオカミのことを話した。
「まさに日本のな」
「狼ですね」
「今はあらゆる星系に色々な狼がいるが」
 それでもというのだ。
「やはりな」
「日本人にとっての狼はですね」
「この狼なのだ」
「それでこうしてですか」
「番狼にもしている」
「親しみがあるからこそ」
「そういうことだ、尚この狼は特に人を襲わない」
 実は人を襲わない狼の中でもというのだ。
「人の後ろについてくるだけだ」
「人のですか」
「例えば夜山の中を歩いているとな」 
 そうすればというのだ。
「その後ろをだ」
「ついてくるのですか」
「そうだ」
「そうした習性がありますか」
「犬もそうだな」
 大尉は狼が家畜となったこの生きものの話をした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ