第二十七話 姿が変わりその四
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「我が国の料理はワイルドと言われてるけどな」
「まずくはないやろ」
「ベジマイト以外はな」
オーストラリアの食べものであるがその味は極めて独特だと言われている。
「羊とか牛のお肉をや」
「さっと調理するな」
「シーフードもな」
「あとアボリジニーの食べものもあるな」
「ミツアリとか食べるわ」
シェリルはメルヴィルにそのアボリジニーとして話した、オーストリアに最初に移住してきた民族の者として。
「そして蛙もな」
「食べるな」
「水分ある蛙を絞ってな」
そうしてというのだ。
「その水を採ってな」
「飲むな」
「そうしてた、私はしたことないけどな」
「そやねんな」
「ああ、しかしザリガニも美味いやろ」
「あれはあれでな」
メルヴィルもそれはと答えた。
「美味いな」
「そやな」
「蛙と同じでな」
「それでイギリスの人達はやね」
それでとだ、綾乃も言ってきた。
「ザリガニをああして食べて」
「蛙は食べへんねん」
「そやねんね」
「いや。あそこは食材も乏しいし」
「元々そやね」
「土地痩せててな」
ブリテンの地はというのだ、実は地質がチョーク状になっていて作物もあまり育たず水もよくないのだ。
「そのせいでな」
「食べるものが乏しくて」
「食文化もな」
これもというのだ。
「あまりな」
「発達せんかったね」
「そやったんや、それでそんなな」
「ザリガニのパイとか」
「変なん出来たんや」
「ザリガニがパイの上に丸まってある」
「丸ごとな」
メルヴィルは綾乃に顔を向けて話した。
「そんな代物になったんや」
「あれはうちもちょっと」
「食べる気起こらへんやろ」
「日本ではザリガニ食べへんけど」
この食文化はないのだ、日本には。
「そやけど海老やね」
「ロブスターと大して変わらんと思ってええわ」
「海老やったら」
綾乃はこの生きものならと話した。
「何とでも調理出来るで」
「日本やとな」
「あんなパイは」
「ないな」
「パイするにも」
この料理をというのだ。
「別にやで」
「調理の方法あるな」
「そう思うわ、それでイギリスの人達はザリガニで」
綾乃はこうも言った。
「フランスの人達は蛙やね」
「お互いに呼び合ってるわ」
「その食べるもんと」
綾乃はさらに言った。
「軍服の色でやね」
「ナポレオンさんの時のな」
彼の時代のというのだ。
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