第八十六話 海遊館に二人でその十
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「あるからね」
「あそこいいわよね」
「ここからちょっとで行けるけれど」
「かに道楽の看板見るだけでね」
「そうそう、楽しいんだよね」
「そうなるわよね」
「あそこはね、じゃあ今から」
伊東は笑顔で言った。
「お店に入って」
「オムライス食べよう」
「ええ、今からね」
留奈も笑顔で応えた、そしてだった。
二人で店の中に入って昭和それも戦前からの趣がある店の二人用の席に座ってそれからお店の人にオムライスを二つ注文し。
それで来たオムライスを食べるが。
「美味しいわね」
「そうだよね」
二人で笑顔で話した。
「やっぱりね」
「評判通りね」
「本当にね」
「そうよね」
「オミライスってね」
この食べものについてだ、伊東は笑顔で話した。
「子供の食べるものって言われても」
「私達が食べてもいいのよね」
「美味しいよね」
「というか大人の人が食べても」
留奈はそのオムライスを食べつつ話した。
「美味しいでしょ」
「大人の人からも人気あるんだよね」
「どうもね」
「そうみたいだね」
「こんなものよく考えたわね」
しみじみとしてだ、留奈は言った。
「その発想に驚きよ」
「オレンジライスがあって」
「それをオムレツの生地で包むなんてね」
「一見誰でも考えそうでね」
「そうはいかないわよね」
こう伊東に話した。
「これが」
「そうだね、あれだよ」
「あれっていうと?」
「コロンブスの卵だよ」
伊東は真剣な顔で話した。
「オムライスも」
「ああ、発想がね」
「そうそう思いつかないよ」
「そうしたものね」
「オムレツの中に入れるのはあるよ」
「挽肉とかね」
「それはあるけれど」
それでもというのだ。
「オムレツの薄い生地でね」
「オレンジライス包むのはね」
「ちょっとやそっとではね」
「思いつかないわね」
「カツカレーだってね」
この料理もというのだ。
「発想の産物だしね」
「あれよね、カレーと豚カツが好きで」
「千葉茂さんがね」
近鉄の監督であった人だ、尚現役時代はあの邪悪を具現化したチーム巨人でセカンドとして活躍していた。
「一度に食べたいって思って」
「どうしようかって思って」
「それで発想したんだ」
そうなったというのだ。
「これがね」
「そうなのよね」
「どの国にもないよ」
日本以外の国はというのだ。
「それこそね」
「そうよね」
「カツカレーもそうで」
「他の国から来たと思ったら」
「千葉さんが考え出すまでね」
洋食が好きだったこの人がだ。
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