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第八十六話 海遊館に二人でその八

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「中国でも凄く大事にされてるし」
「国を挙げてね」
「パンダに何かしたら」
「その時はね」
「中国人ってお料理をけなされることと」
 中華料理を馬鹿にすると本気で怒るという、尚このことは偉大な漫画家山上たつひこが金瓶梅で登場人物達に話させていることであったりする。
「パンダに何かすることはね」
「絶対に許せないことみたいね」
「それ知ってるよね」
「実際に中国の子達言ってるしね」
 留奈は学校にいる同級生や後輩それに先輩の中の中国出身者の言葉から言った。
「その二つはね」
「絶対に許せないってね」
「それだけパンダって大事なのよね」
「だからそうそうね」
「日本でもいないわね」
「あちらから送っている形だしね」
 日本にいて飼育しているのではなくだ。
「色々貴重な生きものだから」
「数が少なくて」
「ただパンダといっても」
 伊東はさらに言った。
「ジャイアントパンダとね」
「レッサーパンダもいるわね」
 留奈も応えた。
「そっちもパンダだしね」
「そっちのパンダはいるよ」
 天王寺動物園にはというのだ。
「それでそっちのパンダもね」
「貴重なのよね」
「それでやっぱり変なことしたら」
「中国の人達怒るのよね」
「そうだよ、まああそこの動物園はね」
 天王寺動物園はというのだ。
「ジャイアントパンダはいなくても」
「色々な生きものがいてね」
「それぞれのコーナーも充実していて」
「凄くいいところよね」
「本当に世界屈指と言ってね」
 そこまでのレベルだと、というのだ。
「いいよ」
「海遊館と同じでね」
「僕も好きだよ」
 伊東は微笑んで述べた。
「あそこはね」
「いいところよね、私基本生きもの好きだしね」
「わかるよ、それ」
 伊東は留奈の今の言葉に笑顔で応えた。
「今だって目きらきらしてるし」
「そうなってる?」
「かなりね」
「そうなのね、ただ世の中自分以外の生きもの皆大嫌いって人もね」
「ああ、もう人間含めて」
「もう自分しかなくて」
 即ち極端なエゴイストでというのだ。
「不平不満しか言わなくて図々しくて遊んでばかりで家事も育児もしないでヒス持ちで執念深くて揉めごとばかり起こして執念深い」
「あれだね、学園の理事長さん達が所属してる天理教の教会の信者さんだった」
 伊東はそうした人格の持ち主の話を聞いて言った。
「やっぱり不平不満しか言わなくて図々しくてお仕事しないで大飯喰らいで尊大で感謝しないっていう」
「その人のお母さんが」
「まさに毒親だね」
「毒親からは屑が生まれる?」
「というか毒親が甘やかして」
 そしてというのだ。
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