第十四章
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「天の道を往き総てを司る男がここに来たことで。人間達の勝利は決まったのだ」
「馬鹿なことを」
乃木はその言葉を一笑に伏す。
「御前一人が来ただけでこの圧倒的な戦力差を覆せるというのか」
「それは数だけを言っているな」
天道は表情を変えず乃木に返す。
「この数のワームを前にしてそう言えるか」
「戦いは数だけじゃない」
天道は言う。
「ここの強さと戦術も合わさる。そして」
「そして?」
「流れだ。その流れは俺が作る」
右手を掲げる。そこにカブトが飛んで来た。
右手に辿り着く。天道はそれを腰にやって言った。
「変身」
「ヘンシン」
マスクドフォームになる。しかしそれは一瞬ですぐにライダーフォームになった。
「キャストオフ」
素早い二段変身であった。そのままクロックアップしワーム達を次々と倒していく。
「むっ」
「言った筈だ」
乃木に対して言葉を返す。
「流れは俺が作ると。流れは一瞬でできる」
「一瞬でだと」
「戦術は一瞬だ。その一瞬で敵を押せれば全ては変わる」
「では戦略はどうなのだ」
「それもだ。何故なら」
天道はさらに攻撃を仕掛ける。それは他のライダー達と比べてもかなりのものであった。彼の参戦がライダー達にとって非常に大きいのは事実だった。
「俺の参戦そのものが戦略的勝利だからだ。わかったか」
「くっ」
「さて。どうする」
ワームの数は大きく減った。ここで天道は乃木に問う。
「ここで倒されるか。それとも」
「悪いがそのつもりはない」
乃木はそれまで天道の加入で強張らせていた顔を元の余裕のあるものに戻してきていた。そのうえでワーム達に指示を出したのであった。
「今はこれまでだ」
そう言い伝える。
「下がるぞ。いいな」
「大人しく下がるわけではないな」
「そうだ。何しろ我々の敵は御前達人間だけではないな」
「ネイティブか」
「そうだ」
彼は天道の言葉に答える。
「彼等との戦いもある。ここは引かせてもらおう」
「では今度会う時まで命は預けておく」
天道は積極的に彼等を追おうとはしなかった。しかし変身も解かない。
「それでいいな」
「自分の心配をしてはどうかな」
「戯言を」
乃木のその言葉はまずは払った。それだけだった。
「御前に心配されることはない」
「違うな。今ネイティブを言ったな」
だが乃木は天道にこう帰してきた。
「彼等の神は我々と同じだ」
「何っ」
これは天道だけでなく田所や影山、そして他のライダー達も反応を見せてきた。聞き捨てならない言葉だった。
「どういうことだ、それは」
「言った通りだ。我々は同じルーツにあるのだ」
「だからネイティブと同じ神だというのか。キュリオスだと」
「そうだ。ではわかるな」
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