第二章
[8]前話
「これがね」
「そうだったのね」
「あの人って」
「それでね」
さらに言うのだった。
「貴女達も菫が好きだから」
「ナポレオンみたいなの」
「私達も」
「そう思ったのよ、先生は」
こう言うのだった。
「それでね」
「そうなのね」
「ナポレオンも菫が好きで」
「私達も好きで」
「同じなのね」
「人は何処かである人と同じであることがあるのよ」
そうしたケースが存在するというのだ。
「それでなのよ」
「私達はとナポレオンもそうで」
「同じ菫好き同士ね」
「そうよ、他のことはわからないけれどね」
それでもとだ、先生は二人に笑顔で話した。そうしてだった。
涼香と恵美はそれからもよく菫を見て好きでいた、そして中学も高校も一緒で高校では同じ歴史研究会に所属し所歴女となっていたが。
園芸部にも所属していて高校の花壇に一緒に菫の花を植えて育てながら笑顔でこんなことを話した。
「ナポレオンって派手好きな感じだけれどね」
「軍服とか見てたらね」
「実際にそうしたデザイン好きでね」
「きらびやかだったけれど」
そうした人物だがというのだ。
「けれどね」
「菫も好きだったのよね」
「あの時乃木先生が言ってたけれど」
「これがね」
「意外と可愛いっていうかね」
「素朴なところもあったみたいね」
「けれど菫って」
涼香はその菫達、紫の小さくだが奇麗に咲いている花達を見つつ恵美に話した。
「いいわよね」
「ナポレオンが好きだった理由もわかるわよね」
「小さくても奇麗でね」
「そこに確かものがあるからね」
「ナポレオンが好きでもね」
「わかるわ」
菫達を観つつ話すのだった、二人共もう高校生であの時よりはずっと大人の顔になっている。だがその笑顔は小学生の時のあの時菫を見ていた時のままだった。
ナポレオンが愛した花 完
2023・7・19
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