第十二章
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「勝てる、このままいけば」
「そうだ、このまま前に進むぞ」
田所は自分の横で戦う加賀美に答えた。
「いいな、ワームは劣勢だ。ならば」
「はい、このまま」
「悪いがそう簡単に行かせるわけにはいかなくてね」
ここで何者かの声がした。それは前からであった。
「その声は」
「まさか」
「久し振りだな、ライダー達よ」
喪服を着た女達を横一列に並べて後ろに引き連れている。それは乃木であった。彼はライダー達を見て不敵に笑いながら悠然と姿を現わしたのであった。
「元気そうで何よりだ」
「どうして御前がここにいるんだ」
影山が彼に問う。
「あの時御前は俺と兄貴とで」
「そうだ、確かに御前は死んだ筈だ」
加賀美も言う。
「それがどうして」
「蘇らせてもらったと考えてはどうかな?」
「蘇えさせられた!?」
「まさかそれは」
それを聞いた剣崎と相川が驚きの声をあげる。
「剣崎一真と相川始だな」
「乃木か。貴様生きていたのか」
相川は彼の姿を見て言う。
「まさかとは思ったが」
「そうだ。私は蘇ったのだよ」
相川に対して告げる。彼は剣崎達とも戦った経験があるのである。
「我等が主によってな」
「主。それではやはり」
「知っているのか。やはり」
「モノリスのこと、知らないとは言わせはしないぞ」
橘が彼を指差して言った。橘も剣崎も一旦地上に降りて彼の前にいたのだ。
「それでは貴様等の主は」
「そうだ、キュリオスという」
「キュリオス!?」
「ギリシア語で主という意味だ」
加賀美に矢車が答えてきた。
「しかしそれが今どうして」
「今度の首領の名はそれか」
上城が声をあげた。
「またあいつは」
「ふふふ、流石だな。全てを知っているのか」
乃木はかつてモノリスの前で統制者と彼の僕達と戦った四人のライダー達を見て悠然と笑ってきた。
「その通りだ。我等の主の本来の名はスサノオ」
「スサノオだと」
矢車がその名を聞いて声をあげる。
「それが今の戦いの黒幕の名前だというのか」
「黒幕とは無礼だな。我等の主に対して」
「主、か」
田所はその言葉に呟く。
「その主の思惑は何だ?」
「思惑か。決まりきったことを」
乃木はその問いに対して笑ってきた。
「ワームの世界を創る。それだけだ」
「今度はワームか!」
橘はその言葉を聞いて声をあげてきた。
「首領はまたしても」
「何はともあれ人の世はこれで終わる」
彼はそう橘に言った。
「そして我々の世界になるのだ」
「そんなことやらせるか!」
加賀美はその言葉に反発を見せてきた。
「人間は俺達が守る!何があっても!」
「面白い。ならば守ってみせよ」
加賀美だけでなく他のライダー達へも向けている言葉だった。
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